断崖絶壁を悠然と歩くシロイワヤギ
断崖絶壁を悠然と歩くシロイワヤギ / Credit: Parks Canada(rmotoday) – Mountain goat kills attacking grizzly bear(2021)
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グリズリーがヤギに刺殺される事件が発生!まさかの返り討ち

2021.09.24 Friday

Mountain goat kills grizzly bear by stabbing it with razor-sharp horns https://www.livescience.com/mountain-goat-kills-grizzly-bear Mountain goat kills attacking grizzly bear https://www.livescience.com/mountain-goat-kills-grizzly-bear

カナダ国立公園管理局(Parks Canada)はこのほど、同国西部・ブリティッシュコロンビア州にあるヨーホー国立公園(Yoho National Park)にて、メスのグリズリーの刺殺遺体が発見されたと発表しました。

同局の生物学者がグリズリーの解剖を行った結果、意外すぎる犯人像が浮かび上がっています。

なんとグリズリーを刺し殺したのは、山に住むシロヤギだったのです。

一体、何があったのでしょうか?

捕食するつもりが返り討ちに?

グリズリーの遺体は、今月4日、ヨーホー国立公園を訪れていたハイカーにより、ハイキングルートを少し外れた場所で発見されました。

パークレンジャーは、遺体が腐肉を漁る捕食者を呼び寄せて、他のハイカーを危険にさらすことのないようすぐに回収し、オタワにあるカナダ国立公園管理局の本部に空輸しています。

遺体は、ハイイログマ(学名:Ursus arctos horribilis)のメスで、まだ完全に成熟していない若い個体でした。(グリズリーという呼び名は、本種の英語名)

体も大人に比べると、はるかに小さかったとのことです。

遺体を調べたところ、首や脇の下に何かで刺された傷跡が確認されましたが、原因までは特定できませんでした。

そこで遺体解剖を行った結果、グリズリーを刺し殺した犯人は、山に住むシロイワヤギ(学名:Oreamnos americanus)と判明したのです。

シロイワヤギ
シロイワヤギ / Credit: ja.wikipedia

シロイワヤギは、アメリカ・カナダの北米地域に分布する動物で、体長は140〜190センチ。

全身は真っ白な体毛に覆われ、オスメスともに2本の鋭い角を持っています。

解剖を担当した野生生物学者のデビッド・ラスキン氏は、取材に対し「刺し傷の大きさや形状を調べた結果、シロイワヤギの角と一致することが確認されました」と話します。

グリズリーとシロイワヤギは、生息域が重なっている場所もあり、両者の遭遇はこれまでにも度々報告されています。

大抵は、体格に勝るグリズリーがヤギを襲って捕食するのですが、シロイワヤギは高いクライミング力を持っているため、グリズリーが降りられない断崖絶壁に避難することもあります。

こちらは2018年に撮影された映像で、シロイワヤギの親子がグリズリーから避難する様子を捉えたものです。

今回の刺殺事件について、ラスキン氏は、次のように推測します。

「最初はグリズリー側がシロイワヤギを襲ったと考えられますが、逆にシロイワヤギの反撃に遭い、最終的に鋭い角で首と脇下を刺されたのでしょう。

グリズリーは攻撃する際、獲物の頭や首の後ろ、肩を狙う傾向があり、上から覆いかぶさるような形を取ります。

その中で、後ろに反り返ったヤギの角がグリズリーに突き刺さった可能性が非常に高いです

これはきわめて稀なケースであり、グリズリーに襲われて、生き延びられるヤギは圧倒的少数です。

しかし、前代未聞というわけでもなく、シロイワヤギが防御的にクマを刺し殺したケースはいくつか記録があるようです。

また、今回に関して言えば、グリズリーが成熟しておらず、比較的小柄だったことも、シロイワヤギの有利に働いたのでしょう。

ラスキン氏によると、グリズリーの成体は最大で500キロに達しますが、今回のグリズリーは100キロにも満たなかったという。

狩りの未熟さも、獲物を見誤る一因となったのかもしれません。

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