「ドウグロタマリン」の双子が誕生
「ドウグロタマリン」の双子が誕生 / Credit: National Zoo(smithsonianmag) – Zoo’s Historic Newborn Tamarin Twins Cling to Mom, Doing What Healthy Babies Do(2021)
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金のたてがみをもつサル「ドウグロタマリン」の双子がアメリカで誕生!16年ぶりの快挙

2021.10.22 Friday

タマリン」というサルをご存知でしょうか。

中南米の熱帯雨林にのみ生息する、オマキザル科の非常に小柄な霊長類です。

日本で暮らしていると、「見たことも聞いたこともない」という方がほとんどかもしれません。

いくつかの種類は、絶滅危惧種にも指定されており、施設内で保護されています。

そしてこのほど、ワシントンDCにあるスミソニアン国立動物園(Smithsonian’s National Zoo)にて、ドウグロタマリン(学名:Leontopithecus chrysomelas)のメスが、双子のベビーを出産したと発表されました。

同園で双子が生まれるのは、16年ぶりのことです。

Zoo’s Historic Newborn Tamarin Twins Cling to Mom, Doing What Healthy Babies Do https://www.smithsonianmag.com/smithsonian-institution/zoos-historic-newborn-tamarin-twins-cling-to-mom-doing-what-healthy-babies-do-180978915/

タマリンは「双子出産」が普通

タマリンはとても小さなサルとして有名で、体長は平均13〜30センチ体重はわずか220〜900グラムほど

昼行性で熱帯雨林の樹上にて生活し、果物や植物、昆虫、鳥の卵、小型の脊椎動物など、わりと何でも食べます。

通常は、3〜9頭のコロニーで暮らしますが、40頭ほどが集まる大所帯もあるようです。

妊娠期間は140日前後で、もとから双子出産が多いとのこと。

母親だけでなく、父親や、そのほかの若い個体も養育に参加します。

成熟には2年かかり、野生では分かりませんが、飼育下での寿命は18年ほどです。

面白いのはその見た目で、種ごとにユニークな体毛をしています。

王様のような白ひげが特徴の「エンペラータマリン」
王様のような白ひげが特徴の「エンペラータマリン」 / Credit: ja.wikipedia
純白の冠毛がおしゃれな「ワタボウシタマリン」
純白の冠毛がおしゃれな「ワタボウシタマリン」 / Credit: ja.wikipedia

今回、スミソニアン国立動物園で生まれたのは、ドウグロタマリンの双子です。

英名では、ゴールデンヘッド・ライオンタマリン(golden-headed lion tamarin)と呼ばれ、顔まわりの金色の体毛が、ライオンのたてがみを思わせることに由来します。

ブラジル北東部・バイーア(Bahia)州の熱帯雨林にしか生息せず、個体数が年々減っています。

現状で、わずか6000頭しかいないとされ、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種に指定されました。

主な原因は、森林伐採による生息地の減少です。

オスの「ドウグロタマリン」、ライオンに似ている
オスの「ドウグロタマリン」、ライオンに似ている / Credit: en.wikipedia

双子の親となったのは、同園で保護されているメスのローラ(Lola・3才)と、オスのココ(Coco・7才)です。

ローラとココの繁殖は、お互いに興味を持つステップから慎重に始められています。

飼育スタッフは、2匹を隣り合ったケージに置き、網目のスクリーンを挟んでゆっくり馴染むようにしました。

この方法で、お互いの姿や匂い、音に慣れさせ、網目の大きさによっては、少しだけ触れることもできます。

最初の観察で良好な結果が得られれば、スクリーンを取り外して、同じ空間を共有させます。

アシスタント・キュレーターのケントン・カーンズ(Kenton Kerns)氏は「ローラとココはすぐに互いに興味を持ち、一緒に過ごす時間も多かった」と話します。

ほどなく、ローラの体重が増えて、お腹が大きくなっていました。

そして、今月7日、ローラは妊娠4ヶ月で、無事に双子を出産しています。

母親のローラと背にしがみつく双子
母親のローラと背にしがみつく双子 / Credit: National Zoo(smithsonianmag) – Zoo’s Historic Newborn Tamarin Twins Cling to Mom, Doing What Healthy Babies Do(2021)

スタッフは生まれたばかりの赤ちゃんを見ようとしましたが、すぐには見れなかったそう。

カーンズ氏によると、「双子は母親であるローラの背中にうずくまって、うまくカモフラージュし、姿が見えなかった」という。

しかし今では、上の写真のように、頭をあげてキョロキョロと周りを見回しています。

同園での双子タマリンの出産は、16年ぶりの快挙です。

まだ性別が確認できていないため、双子に名前は付けられていません。

半年後に最初の健康診断を行ったのちに、名前を決める予定とのこと。

この4人家族は園内で一般公開されていますが、双子を溺愛するローラとココは、世話に夢中で、来客には見向きもしないそうです。

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