真菌クラドスポリウムの一種が放射線を防ぐ
真菌クラドスポリウムの一種が放射線を防ぐ / Credit:Keisotyo(Wikipedia)_クラドスポリウム
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放射線で成長するクロカビが「生きたシールド」として宇宙飛行士を守る

2021.11.15 Monday

Could a Radiation Shield Made of Fungus Keep Astronauts Safe During Space Travel? https://www.sciencealert.com/could-a-radiation-shield-made-of-fungus-keep-astronauts-safe-during-space-travel
A Self-Replicating Radiation-Shield for Human Deep-Space Exploration: Radiotrophic Fungi can Attenuate Ionizing Radiation aboard the International Space Station https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.07.16.205534v6.full

宇宙空間では、太陽や銀河から届く放射線(宇宙線)が飛び交っています。

そのため、宇宙空間に長期滞在する宇宙飛行士たちは、それらの放射線から守られなければいけません。

アメリカ・ノースカロライナ科学数学学校(NCSSM)に所属するグラハム・シャンク氏ら研究チームは、放射線を防ぐ特殊な菌類について報告しました。

遠い将来、宇宙飛行士を守る「生きたシールド」を形成できるかもしれません。

研究の詳細は11月4日付のプレプリントサーバー『BioRxiv』に掲載されました。

宇宙飛行士を放射線から守るシールド

地球は磁気圏によって放射線から守られている
地球は磁気圏によって放射線から守られている / Credit:Depositphotos

地球では、強力な磁気圏がシールドとなって宇宙放射線を防いでくれています。

また地球から408km離れた国際宇宙ステーション(ISS)は高レベルの放射線を受けているものの、地球のシールドからある程度の恩恵を受けています。

そのため宇宙飛行士たちは、最大1年間ISSに留まれるようです。

しかし、月や火星を目指す宇宙飛行士たちは、放射線の影響をすべて受けることになります

高レベルの被ばくが続くなら、白内障やがん、その他さまざまな病気を引き起こしてしまう恐れがあるのです。

したがって彼らは、放射線を遮断するシールドを地球から持ち込まなければいけません。しかし宇宙船に積み込める荷物の量は限られています。

そこでチームは、発想の転換として生物でシールドを作る方法を探すことにしました。

少量の生物シールドを宇宙に持っていき、宇宙空間で十分に成長させるのです。

もし「宇宙空間で成長していく放射線シールド」が可能になれば、これは宇宙開発の大きな革新となるはずです。

そして最近、研究チームはある種の真にその可能性を見出しました。

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