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Credit: M. Pallmann SMNS / Pallmann
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表面温度80℃の地球一暑い砂漠で、新たな「純白の甲殻類」が発見される

2021.07.08 Thursday

2020.09.07 Monday

地球上で最も暑い場所として有名なイラン東部の「ルート砂漠」で、甲殻類の新種が発見されました。

8月5日付けで『Zoology in the Middle East』に掲載された報告によると、この生物は、これまでにわずか4種しか知られていない「Phallocryptus属」に分類される淡水生物とのこと。

しかし、雨もほとんど降らないルート砂漠で、どのように生き延びているのでしょうか。

研究は、シュツットガルト州立自然史博物館(独)、テヘラン大学(イラン)により報告されています。

scitechdaily https://scitechdaily.com/new-species-found-in-the-hottest-place-on-earth/

乾燥状態で数十年も生きられる

新種生物が見つかったのは2017年のこと。研究チームが、ルート砂漠の生態調査をしていた際、砂漠南部に位置する季節性の小さな湖で発見されました。

新たに学名が「Phallocryptus fahimii」と命名されましたが、これは発見者の一人であり、2018年の飛行機事故で亡くなったイランの生物学者ハディ・ヒミ(Hadi Fahimi)氏から取られています。

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Credit: tandfonline

研究チームのホセイン・ラジャエイ博士は「こうした過酷な環境下での生態調査では、特に水場に注意して生物を探します。しかし、暑く乾燥したルート砂漠で甲殻類が見つかったことは本当にセンセーショナルでした」と話します。

調査の結果、この生物は、干上がった土壌の中で何十年も生き延びることができ、水場が回復する雨季に孵化していることが分かりました。

過去にもオーストラリアで砂漠環境適応した類似の甲殻類が見つかっていますが、世界一過酷なルート砂漠に適応した点で、非常に特異であるようです。

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