悪天候で頭痛になるのはなぜ?
悪天候で頭痛になるのはなぜ? / Credit:Depositphotos
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なぜ天気が悪いと頭痛になる人がいるの?

2021.06.04 Friday

頭痛持ちの人は、天気が悪くなるとひどい頭痛に悩まされます。

では、なぜ天気が悪いと頭痛になるのでしょうか? 頭痛を軽減する方法はありますか?

イギリス・ダラム大学神経科学部のアマンダ・エリソン教授は、この疑問に対して科学的に回答しています。

Can bad weather really cause headaches? https://theconversation.com/can-bad-weather-really-cause-headaches-158258

悪天候による頭痛の原因は「副鼻腔」と「脳の血流」

エリソン教授は、悪天候によって頭痛が生じる主な要因を2つ挙げています。

1つ目は、副鼻腔(ふくびくう)です。

副鼻腔
副鼻腔 / Credit:Depositphotos

副鼻腔とは鼻の穴の周りにある4つの空洞のことであり、通常空気で満たされています。

そのため気圧が変化すると、副鼻腔圧のバランスが崩れ、炎症や痛みを引き起こすのです。

ちなみにどの空洞が影響を受けるかによって、痛みの場所や種類(額の痛み、目の奥の痛み、頭の前後に広がるような頭痛など)が異なります。

そして起きやすい症状は頭の構造によって異なるため、個人差があります。

2つ目の要因は、脳の血流です。

血液は神経細胞に対して高い毒性をもっています。そのため脳には血液を分離させる仕組みが備わっています。

実際、脳と毛細血管の境目には血液脳関門(けつえきのうかもん)と呼ばれる障壁があります。

血液脳関門の働き
血液脳関門の働き / Credit:Depositphotos

血液脳関門があるおかげで、脳感染症を引き起こす毒素や病原体を通さずに、重要な栄養素だけを吸収できるのです。

同様に、脳には血液汚染から身を守る別のセンサーも備わっています。

血管が広がりすぎると活性化する受容体があり、「痛みを与える」ことで私たちに血管の異常事態を報告。

つまり気圧の変化で血管が膨張すると、脳を守る警告システムが働き、頭痛になるのです。

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