肥満マウスを「消費カロリーを維持したまま」激ヤセさせる方法を発見!
肥満マウスを「消費カロリーを維持したまま」激ヤセさせる方法を発見! / Credit:wikipedia
medical
Targeting an enzyme in fat cells drives rapid weight loss in obese mice https://newatlas.com/medical/enzyme-fat-cells-rapid-weight-loss-obese-mice/
Histone deacetylase 6 inhibition restores leptin sensitivity and reduces obesity https://www.nature.com/articles/s42255-021-00515-3

2022.01.25 Tuesday

肥満マウスが激ヤセ! 食べる量を減らしても「消費カロリーが維持される」方法を発見

通常ダイエットで食事量を制限し、体重が減ると体の防御システムが起動して消費カロリーも減らしてしまい、体重が変わらなくなる停滞期に入ってしまします。

そのため食事制限によるダイエット効果は思うように成果が上がりません。

しかし米国ミシガン大学で行われた研究は、マウスの食べる量が減っても、体の消費カロリーが変化しない有機化合物「ツバスタチンA」を発見。

これにより、わずか数週間でマウスの体重を25%減少させることに成功しました。

いったいどんな仕組みで、マウスは体重が減っても消費カロリーが維持されたのでしょうか?

研究内容の詳細は1月17日に『Nature Metabolism』に掲載されています。

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肥満マウスを「消費カロリーを維持したまま」激ヤセさせる方法を発見!

肥満マウスを「消費カロリーを維持したまま」激ヤセさせる方法を発見!
肥満マウスを「消費カロリーを維持したまま」激ヤセさせる方法を発見! / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

肥満治療において最も重要な点は「ダイエットの努力=ダイエットの結果」にすることです。

努力が常に結果に結びつくならば、苦しいダイエットも乗り越えることが可能だからです。

しかし現実は非情です。

食べる量を頑張って減らしても、上手くいくのは最初だけで、すぐに努力が結果に反映されない停滞期を経てリバウンドしてしまいます。

原因は、体の防衛機能です。

食べる量を減らすと体の防衛機能が働いて、体が消費するカロリーを減らしてしまい、ダイエットの努力を相殺してしまうのです。

しかもこの防衛機能は非常に優秀で、停滞期を1度突破した後も、何度も発動します。

そのため停滞期を抜けるにはそのつど、さらなる食事制限の強化や運動の追加など新たな刺激を与えなければなりません

さらに食べる量を少しでも増やすと、体は即座に反応して、一気に脂肪を蓄えてしまいます。

同じ悲劇は、ヤセ効果のある薬を飲んでいる場合でも起こります。

体の防衛機能はヤセ薬の効果を帳消しにするのに十分すぎるほど優秀なために、ヤセ薬を飲んでも効果は数週間から数か月程度しか効かず、やがては元の体重に戻ってしまします。

しかし1994年、人類は自らの防衛能力を突破する手がかりを入手します。

発見されたのは、ダイエットに抵抗する防衛機能と「対」になる体の肥満防止システムを担うタンパク質でした。

私たちの体にはダイエットを妨害する防衛機能だけでなく、肥満を防止する機能も備わっていたのです。

その中核となる存在がレプチンでした。

レプチンが分泌されると食欲がなくなるだけでなく、食べる量が減っても消費カロリーが減らなくなるという、理想的なダイエット(努力=結果)が実現します。

しかもレプチンが分泌されて減少するのは主に脂肪であり、筋肉量を維持したままの減量も実現します。

そのためレプチンが発見された当初は「夢のヤセ薬」になると期待されていました。

体の防衛機能に対抗するのに、別の体の機能(肥満防止システム)をぶつけるのは理想的な方法だからです。

しかし残念なことに、レプチンにも限界があることが判明します。

食べ過ぎを続けて肥満状態になると、レプチンが分泌されても体が反応しなくなる「レプチンの鈍感化」が発生するのです。

レプチンに鈍感になると、外部からレプチンを取り入れても、抗肥満効果を発揮することができなくなります。

この状態を打破するには、レプチンに鈍感化した体に何らかの刺激を与え、再びレプチンに対する敏感さを取り戻さなければなりません。

そこで今回、ミシガン大学の研究者たちは、「レプチンの鈍感化」を防ぐ方法を調査することにしました。

研究者たちはレプチンと相互作用する細胞内の酵素をリスト化し、それらを阻害する薬をマウスに1つずつ投与する地道な作業を繰り返しました。

運が良ければ、レプチンの鈍感化を阻止する方法がみつかる可能性があったからです。

結果、非常に有望な薬が発見されました。

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