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水中から2m先の獲物を撃ち落とす!テッポウウオの「射撃のしくみ」を解説 (2/2)

2022.06.21 Tuesday

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水中から獲物を撃ち落とす「裏テク」がすごい

これまでの研究で、テッポウウオには、水面下から獲物のサイズや位置情報を把握し、それを撃ち落とすのに必要な水流を計算する能力があると判明しています。

テッポウウオは口先だけを水面に出して射撃するため、目は水中の中にあります。

そのため、獲物の位置は、光の屈折により、テッポウウオが見ている位置と少しズレてしまうのです。

にもかかわらず、テッポウウオは屈折によるズレを考慮しながら、獲物の位置や距離、サイズなどを計算しています。

光の屈折によるズレも計算ずみ?
光の屈折によるズレも計算ずみ? / Credit: jp.depositphotos

さらに、独バイロイト大学の先行研究(Current Biology, 2014)によると、テッポウウオは水流を発射する際、獲物との距離に応じて、口の動きを微妙に変えていることがわかっています。

たとえば、口の開閉スピードを遅くすると、水流が安定し、加速度が小さくなるため、より長い距離の射撃に有効です。

口の動きの一連の調整は、すべてわずか数ミリ秒の間に行われます

このようにテッポウウオの射撃には驚くべき機能がてんこ盛りですが、いまだ未解決の点も少なくありません。

たとえば、口先や骨の動きだけでなく、口内の筋肉や弁が射撃の精度を高めるのに役立っていると推測されていますが、その機能の全貌は明らかになっていません。

まだまだ、テッポウウオの秘密は奥深そうです。

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