地面が鏡だと墜落するミツバチの謎を解明
地面が鏡だと墜落するミツバチの謎を解明 / Credit: canva
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There’s a Really Weird Effect When Honeybees Fly Over a Mirror https://www.sciencealert.com/honeybees-go-crashing-into-the-ground-if-they-fly-over-a-mirror HONEYBEES FLYING OVER A MIRROR IRREMEDIABLY CRASH https://www.univ-amu.fr/en/public/actualites/research-honeybees-flying-over-mirror-irremediably-crash
Floor and ceiling mirror configurations to study altitude control in honeybees https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rsbl.2021.0534

2022.04.19 Tuesday

ミツバチは「鏡の上を飛ぶ」と大変なことになる

ミツバチ「メーデー、メーデー、地面が見当たりません!」

1963年のある実験で、オーストリアの昆虫学者ハーバート・エランは、ミツバチの不思議な飛行特性に気づきました。

湖の上を飛ぶように訓練されたミツバチは、水面にさざ波や波紋が立っていると、対岸までたどり着けるのに対し、湖面が鏡のように滑らかだと、急に高度を下げて、真っ逆さまに墜落したのです。

当時、この結果は、ミツバチが「目に見えるサイン」を使って飛んでいることを示唆しましたが、詳しい原因は解明されていませんでした。

しかし今回、仏エクス=マルセイユ大学(AMU)の研究チームは、より精巧な実験セットを用いて、その謎を明らかにしました。

なぜミツバチは、墜落していたのでしょうか?

研究の詳細は、2022年3月23日付で科学雑誌『Biology Letters』に掲載されています。

床を鏡にした途端、「墜落」が始まる

今回のミツバチの飛行実験は、屋外に設置された長さ220cmの長方形のトンネルを使って行われました。

ただこのトンネルには、ちょっと特殊な仕掛けが施されています。

天井と床が張りになっており、表面を覆って普通の壁にも変えることができるように作られているのです。

ゴール地点には報酬として甘いお菓子がおかれています。

研究チームはこのトンネルを使って「鏡あり・なし」のそれぞれの条件で、ミツバチがゴールへたどり着けるかを実験しました。

実験のトンネルセット、天井と床を鏡張りにしている
実験のトンネルセット、天井と床を鏡張りにしている / Credit: AMU – HONEYBEES FLYING OVER A MIRROR IRREMEDIABLY CRASH(2022)

まず、天井・床の鏡が覆われていると、ミツバチは一定の高度を保ちながら、楽々とゴール地点まで到達しています。

天井だけを鏡にした場合、トンネルの高さは2倍に見えますが、この条件でもミツバチは特に影響を受けずゴールまで到達できました。

ところが、床だけを鏡にし、下方向への距離が2倍になった途端、ミツバチの墜落事故が起き始めたのです。

こちらが、その時の実験映像です。

 

最初は普通に飛んでいたミツバチが、40センチを過ぎたところで急激に高度を下げ、鏡に激突。

その後も、安定した飛行姿勢を取り戻せず、磁力に引っ張られるように床にぶつかり続けました

また、天井と床の両方を鏡にして、上下方向に無限の高さをつくると、ミツバチはわずか8センチ飛んだだけで墜落しています。

さらに、天井・床の前半部のみを覆ったところ、後半の鏡ゾーンに入った途端、墜落が発生し始めました

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