背痛に「姿勢」は関係なかった?
背痛に「姿勢」は関係なかった? / Credit: canva
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The Relationship Between Posture and Back Pain Isn’t What You Think https://www.sciencealert.com/the-relationship-between-posture-and-back-pain-isnt-what-you-think
Exploring lumbar and lower limb kinematics and kinetics for evidence that lifting technique is associated with LBP https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34288926/

2022.08.24 Wednesday

誰もが経験する背中の痛みに「姿勢の善し悪し」は関係なかった

背痛(はいつう)は、ほとんどの人が一生に一度は経験すると言われるほど、一般的な痛みです。

とくに、成人になってから発症しやすくなり、背痛を持つ人の4人に1人は、痛みが慢性化し、仕事や日常生活に支障をきたしています。

そんな中、世間では「背痛を予防・緩和するには”よい姿勢”を守ることが大切である」と声高に主張されています。

ここで「よい姿勢」とは、座ったり、立ったり、物を持ち上げるときに、背中を丸めず背筋をまっすぐ伸ばした体勢と定義されます。

しかし意外なことに、「背痛」と「よい姿勢」の間に密接な関係があることを示す証拠は存在しないのです。

豪カーティン大学(Curtin University )の研究チームは、これまでの調査をまとめて、「よい姿勢を守ることは、背痛の予防や治療に寄与しない」と指摘します。

では、誰もがなりうる背痛は、どう予防し、いかに対処すればよいのでしょうか?

「よい姿勢」は、背痛の予防にならない?

カーティン大の研究チームは、これまで、背骨の姿勢と背痛の関連性を探る研究をいくつか行ってきました。

その一つとして、青少年の大規模集団を対象とした調査を例にあげています。

それによると、頻繁に背中を丸めたり、猫背であっても、将来の背痛リスクを増大させることには繋がりませんでした。

背痛を患う成人と背痛のない成人を比較しても、日常における姿勢に一貫した違いは見られていません。

「よい姿勢」で背痛は予防できない?
「よい姿勢」で背痛は予防できない? / Credit: canva

これは、重い荷物を持ち上げるリフト姿勢に関しても同じでした。

興味深いのは、5年以上肉体労働に従事している人を調べたところ、背痛のない人は、より前かがみで背中を丸めたリフト姿勢を取る傾向にありました。

反対に、背痛を患っている人ほど、背筋をまっすぐに維持する、いわゆる「よい姿勢」を取っていたのです(PLoS One, 2021)。

背痛持ちの人ほど、「よい姿勢」のアドバイスをよく受け入れていましたが、皮肉なことに、「よい姿勢」を守らない人の方が、背痛リスクは低くなっていました。

また、別の小さな研究では、背痛の症状が緩和するほど、人々は「よい姿勢」を気にしなくなることがわかっています。

これらの結果からは、背痛と姿勢の良し悪しはあまり関連していないことがわかります。

しかし、姿勢の良し悪しが関係しないというなら、背痛はどう予防し、いかに対処すればよいのでしょうか?

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