ヒト脳オルガノイドから「知恵の実」を奪いサル化させることに成功
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チンパンジー脳オルガノイドでの「知恵の実」遺伝子の効果を確認すると、次に研究者たちは「知恵の実」遺伝子を削除して、ヒト脳オルガノイドがどのように変化するかを調べることにしました。
すると、ヒト脳オルガノイドでは大脳新皮質の幹細胞数が著しく低下し、チンパンジー脳オルガノイドと同じレベルになってしまったことが確認できました。
この結果は「知恵の実」遺伝子ARHGAP11Bが、新皮質の幹細胞数の増加を通してヒトとしての脳を与える役割をした一方で、奪われるたことで新皮質の幹細胞数が減少して脳がサル化してしまったことを示します。
同様のヒト脳オルガノイドのサル化は、ARHGAP11B遺伝子から作られるタンパク質の機能を阻害した場合にも起こりました。
次のページでは以前の研究に基づいて「知恵の実」遺伝子がどのように出現したかを解明します。