読み手に合った文字を提供する「じぶんフォント」を開発!
読み手に合った文字を提供する「じぶんフォント」を開発! / Credit: DNP – 文字の読み書きに困難がある人に見やすく読みやすい「じぶんフォント」を開発(2022)
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文字の読み書きに困難がある人に見やすく読みやすい「じぶんフォント」を開発 https://www.dnp.co.jp/news/detail/20167622_1587.html

2022.09.28 Wednesday

読み手に合った文字を提供する「じぶんフォント」を開発!

知的能力や勉強不足とは関係なく、文字の読み書きが困難になる学習障害を「ディスレクシア(Dyslexia)」と呼びます。

日本では学齢期児童の約8%、英語圏では約10〜15%にディスレクシアの症状が見られ、学業不振や学校不適応の原因として問題視されています。

そこで大日本印刷株式会社(DNP)は、東京工業大学、ファシリティジャポン株式会社、株式会社リアルタイプと協力し、ディスレクシアの人にも見やすく読みやすい「じぶんフォント」を開発しました。

「じぶんフォント」では、それぞれの読み手に合ったフォントを提供することで、文字の読み書きの改善や向上を目指すとのことです。

記事内では「じぶんフォント」の読字体験ができるWebサイトも掲載しています。

ぜひ、お試しください。

 

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「じぶんフォント」にはどんな特徴がある?

これまでの研究で、ディスレクシアの人にとっては、フォントの変更が読みづらさの軽減に役立つことがわかっており、英語圏ではすでに、ディスレクシア対応フォントの実用化が進んでいます。

日本国内でも、東京工業大の朱心茹(しゅ・しんじょ)氏が、ディスレクシア対応の日語フォントの研究や試作を進めています。

その一方で、日本語の情報処理において、最低限必要とされる約7000字のフォント開発には、大きな負荷がかかっていました。

そこでDNPは、独自に開発したオリジナル書体である「秀英丸ゴシック」をベースに、朱氏と協力し、新たな「じぶんフォント」の開発をスタート。

開発にあたっては、Webアクセシビリティ技術を有するファシリティジャポン、フォント開発やWebフォントの配信技術を有するリアルタイプとも連携しました。

「じぶんフォント」プロジェクトとは?
「じぶんフォント」プロジェクトとは? / Credit: じぶんフォント – じぶんフォントのご紹介(youtube, 2022)

ディスレクシアの症状は人によって様々であり、「文字が踊ったり、ねじれるように感じて、どこにどの文字があるか分からない」とか、「字間が広いと読めるが、狭いと誤読が増える」「黙読が苦手で、本を読んでいるとすぐに疲れる」などがあります。

そこでチームは、ディスレクシアの人に協力してもらい、試作したフォントの評価・分析を行って、どういったフォントが読みやすく、好まれるかを調べました。

その結果、ディスレクシアの人が好む3つの傾向が判明しています。

(1)文字の下部が太い

(2)全体が細め

(3)全体が縦長で太め

これを踏まえて、チームは「どっしりまるご」「すっきりまるご」「はっきりまるご」の3種類のフォントを作成しました。

それがこちらです。

3種の「じぶんフォント」のサンプル
3種の「じぶんフォント」のサンプル / Credit: DNP – 文字の読み書きに困難がある人に見やすく読みやすい「じぶんフォント」を開発(2022)

さらに、これらは、画線がシンプルで、先端や角が丸い「秀英丸ゴシック」をベースにしているため、デザインが手書きに近く、字間にもゆとりがあります。

具体的には、「い」は平たく、「く」は縦長にするなど、形状やサイズを整えすぎないようにしました。

こうした特徴は、読み書きに困難がある人に好まれる形状であることが、朱氏の研究で明らかになっています。

では次に、「じぶんフォント」を実際に体験して、自分に合ったフォントを探してみましょう。

次ページ「じぶんフォント」を実際に体験してみよう!

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