デービッド・ボーエン氏の芸術作品「プラント・マチェット」
デービッド・ボーエン氏の芸術作品「プラント・マチェット」 / Credit:David Bowen
culture
living plant controls a machete through an industrial robot arm https://www.designboom.com/design/living-plant-machete-industrial-robot-arm-david-bowen-09-30-2022/#

2022.10.08 Saturday

植物を「脳」にして山刀を振るうロボットアーム

「脳は人間で体は機械」「機械化された動物」などのSFキャラクターがいるように、一部の人々は、生物と機械の融合にロマンを抱いてきました。

そして最近でも、そんなロマンを胸に、意味深な芸術作品を創ったデザイナーがいます。

デザイナーのデービッド・ボーエン氏は、植物を「脳」にしてロボットアームに山刀を振るわせたのです。

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植物の生体電位を利用してロボットアームを動かす「芸術作品」

あらゆる生物では、生命活動に伴って「生体電位」が生じます。

生命活動に関わる情報伝達のために、さまざまな電気信号が流れているのです。

脳波は脳活動に伴う電気活動を記録したもの
脳波は脳活動に伴う電気活動を記録したもの / Credit:Canva

例えば、人間や動物が生きるためには、生体電位を伴う神経や筋肉の働きが欠かせません。

これは植物も同様です。

植物の生体内にはさまざまな電気信号が流れており、外的刺激によっても電位が変化します。

この変化を調べることで、植物が快適に感じる環境を見つけ出すことも可能なのだとか。

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また生体電位の変化を外部に出力する研究も行われてきました。

例えば、植物の生体電位に応じて音楽を奏でるスピーカーなども存在します。

植物が作曲したり、何か意図をもって音を鳴らしたりするわけではありませんが、ある意味、植物を「脳」にしていると言えますね。

植物の生体電位でロボットアームの動きが決定される
植物の生体電位でロボットアームの動きが決定される / Credit:David Bowen

そして今回、デザイナーのボーエン氏は、生きた植物の葉とロボットアームをつなげた芸術作品「プラント・マチェット(Plant Machete)」を創作しました。

植物の葉から電気信号を拾い上げ、その流れに応じて、ロボットアームが動くようプログラムしたのです。

葉の電気信号をパッチで拾う
葉の電気信号をパッチで拾う / Credit:David Bowen

ロボットアームはそれぞれの関節の動きに従って、その腕を振るったり突き出したりとさまざまな動きを見せますが、それらは植物の電気信号のパターンに応じてリアルタイムに決定されているようです。

まさに植物を「脳」にしてロボットアームを動かしているのですね。

植物がマチェットを振るう
植物がマチェットを振るう / Credit:David Bowen(YouTube)_plant machete(2022)

そしてボーエン氏は、なぜかこのロボットアームにマチェット(もしくはマチェテ)と呼ばれる山刀を持たせています。

関節の動きを分かりやすくする効果はあるようですが、いささか物騒な発明ですね。

自由自在にマチェットが振られる光景は、まるで植物に意志があって、相手を切りつける練習をしているかのようです。

マチェットをかっこよく構える植物。創作意図が気になる……
マチェットをかっこよく構える植物。創作意図が気になる…… / Credit:David Bowen

ボーエン氏は、どうしてこの作品を創ったのでしょうか?

彼は、「私の作品はさまざまな方法で’ばかばかしさ’を探求しています」と述べました。

彼の他の作品には、「容器内のハエの動きに対応した文字が打ち込まれ、140文字に達するとTwitterに投稿される」ものや、「容器内のハエの動きに応じてリボルバーの狙いが定まり、引き金が引かれる」ものがあります。

どれもプラント・マチェットと同様、道具や武器の制御を自然界にゆだねているのです。

この制御に意図を見出そうとするのは、確かに’ばかばかしい’ことなのかもしれません。

(左)ハエでツイートする「フライ・ツイート」、(右)ハエでリボルバーを制御する「フライ・リボルバー」
(左)ハエでツイートする「フライ・ツイート」、(右)ハエでリボルバーを制御する「フライ・リボルバー」 / Credit:David Bowen

それでもボーエン氏は、’ばかばかしさ’だけを求めているわけではありません。

彼はこうも付け加えています。

「しかし私は、これらのデータが完全にランダムだとは思っていません。

植物は水と光における驚くべき技術者です。

ハエの動きにも意味があって、予測可能なはずです」

ボーエン氏は自然界に見られる法則や緻密さに感銘を受けています。

だからこそ、それらに道具を制御させたとしても、何らかの規則性を見出せると期待しているのです。

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