UMAの「ビックフット」は、アメリカグマの見間違いだった?
UMAの「ビックフット」は、アメリカグマの見間違いだった? / Credit:(左)Canva、(右)LeCire(Wikipedia)_ビックフット
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「UMAの正体」アメリカグマ900頭ごとに ビックフットの報告例が1件増えると判明!

2024.01.24 Wednesday

2023.01.31 Tuesday

ビックフット」は未確認生物(UMA)として有名であり、現代でもアメリカ各地で目撃情報が寄せられています。

ビックフットは本当に存在するのでしょうか?

それとも単に他の生物と見間違えただけなのでしょうか?

最近、アメリカのデータ分析会社「ピニー・アソシエイツ(Pinney Associates)」に所属するフロー・フォクソン氏は、アメリカグマの個体数とビックフットの目撃情報には関連性があると報告しました。

地域に生息するアメリカグマ900頭につき、ビックフットの目撃情報が1件提出されるというのです。

研究の詳細は、2023年1月29日付の生物学プレプリントリポジトリ「bioRxiv」で発表されました。

この研究については2024年1月13日付けで動物研究に関する科学雑誌「Journal of Zoology」に掲載されました。

If it’s there, could it be a bear? https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.01.14.524058v1.full Bigfoot : If it’s there, could it be a bear?(Journal of Zoology) https://zslpublications.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/jzo.13148

ビックフットの目撃数はアメリカグマの生息数と関連していた

世界各地で、実在が確認されていない「UMA」の目撃証言が飛び交っています。

チュパカブラ、ネッシー、イエティなどが有名であり、日本であればツチノコや河童が挙げられます。

そしてアメリカで度々目撃情報が寄せられる「ビックフット」も、UMAの1つです。

(左)ビッグフットのイメージ、(右)イリノイ州シャウニー国立森林公園のビックフット(サスカッチとも言う)像
(左)ビッグフットのイメージ、(右)イリノイ州シャウニー国立森林公園のビックフット(サスカッチとも言う)像 / Credit:(左)LeCire(Wikipedia)_ビックフット、(右)Bloodyboppa(Wikipedia)_Bigfoot

ビックフットは「身長が2mを超える毛むくじゃらの猿人」だと考えられています。

「ゴリラと違って常に2足歩行している」のだとか。

では、現代でも目撃情報のあるビックフットは、実在の生物なのでしょうか?

科学技術が進んだ現代では、ほとんどの人が「作り話」か「見間違い」だと考えています。

仮に「見間違い」だとしたら、目撃者たちは一体何と勘違いしたのでしょうか?

フォクソン氏は、アメリカグマ(学名:Ursus americanus)をその候補に挙げました。

アメリカグマは時に2足歩行する
アメリカグマは時に2足歩行する / Credit:Canva

アメリカグマはアメリカに生息するクマ(体長140~200cm)であり、黒い被毛で覆われています。

2足歩行することもあるため、その時の様子が「ビックフット」に見間違えられた可能性があります。

彼はこの説を確かめるため、「ビックフットの目撃報告数」と「アメリカグマの個体数」を地域ごとに割り出しました。

アメリカにおける地域ごとのビックフット目撃数(赤)、アメリカグマ個体数(緑)、人口(青)の分布マップ。調関連性があると判明
アメリカにおける地域ごとのビックフット目撃数(赤)、アメリカグマ個体数(緑)、人口(青)の分布マップ。調関連性があると判明 / Credit:Floe Foxon(Pinney Associates),bioRxiv(2023)

そしてこれらの情報を各地域の人口と面積で調整すると、「アメリカグマの数とビックフットの目撃情報には強い相関がある」と判明しました。

州単位で考慮すると、平均してアメリカグマ900頭ごとにビックフット目撃情報が1件提出されると考えられるようです。

アメリカグマの個体数が多ければ多いほど、ビックフットの目撃情報も多くなるのです。

今回の分析結果は、「ビックフットの目撃情報はアメリカグマの見間違い」説を支持するものとなりました。

現代でも絶えない「UMA目撃報告」の謎が、徐々に紐解かれているのです。

もしかしたら、ビックフット以外のUMA目撃情報の件数も、既知の生物の個体数と相関があるかもしれません。

【編集注 2023.01.24 09:30】
ジャーナル掲載情報を追記しました。

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