ChatGPTを使うと、ロボットを人間の言葉で直接動かせる
ChatGPTを使うと、ロボットを人間の言葉で直接動かせる / Credit:Canva
artificial-intelligence

Microsoft研究チームがChatGPTを使用し「言葉で指示してロボット制御」に成功!

2023.03.08 Wednesday

人工知能を研究する団体「OpenAI」が開発した会話型AI「ChatGPT」は、人間の話し言葉で指示を理解し回答できることで話題になっています。

「ChatGPT」の能力は非常に高く、現在人間の依頼に基づいて作曲したりプログラミングコードを書くなど会話意外でもさまざまな利用成果が報告されています。

そして最近では、Microsoftの研究チームが、ChatGPTを使うことで、ロボットに人間の言葉で指示を与え、その通りに制御できたことを報告

一般的に、ロボットを動かすにはプログラマーの存在が欠かせません。

しかしこのシステムを用いると、専門知識のない人がただ人間の言語で指示するだけで、「ドローンが障害物を避けて飛ぶ」「ロボットアームが積み木をする」などの制御を達成できるのです。

研究の詳細は2023年2月20日付で、Microsoftのブログ技術論文(PDF)で発表されました。

ChatGPT for Robotics: Design Principles and Model Abilities https://www.microsoft.com/en-us/research/group/autonomous-systems-group-robotics/articles/chatgpt-for-robotics/
ChatGPT for Robotics: Design Principles and Model Abilities(PDF) https://www.microsoft.com/en-us/research/uploads/prod/2023/02/ChatGPT___Robotics.pdf

プログラマーが人間の言葉を翻訳してロボットに伝えている

ロボットは「人間の言葉」を受けても理解・行動できない
ロボットは「人間の言葉」を受けても理解・行動できない / Credit:Canva

ロボットは人間の言葉を理解できません。

そのためロボットに人間の言葉で「電子レンジで弁当を温めて」と指示しても、私たちの意図通りに動くことはありません。

そこで活躍するのがコンピュータ言語に翻訳する「プログラマー」です。

プログラマーは膨大なプログラミングコードを書くことで、人間の言葉に対してどのように動くべきなのか逐一教えているのです。

実際、上記の簡単な指示をロボットにこなしてもらうには、プログラミングによって「弁当や電子レンジを識別する方法」「弁当のつかみ方・つかむ力の程度」「電子レンジの扉の開け方」「電子レンジの使い方」などをコードですべて指示しなければいけません。

ロボットに指示するには「プログラムコード」を書く必要がある
ロボットに指示するには「プログラムコード」を書く必要がある / Credit:Canva

当然、全てがコード頼りのロボットは、人間のように融通が利かず、事前にプログラミングされていないことは行えません。

例えば、皿を洗うようプログラムされた家事ロボットアームが開発されたとして、そのロボットアームに「握手して」という簡単な指示を投げかけたとしても、実行できないでしょう。

改めてプログラマーを雇って、「握手の意味」つまり「片方の腕を伸ばして手を開いて……」などとコンピュータ言語で逐一教えなければいけないのです。

これが今のロボットの限界であり、人間がロボットを制御するときの大きな壁となっています。

しかしMicrosoftの研究チームは、この壁をAIで崩そうとしており、新しい報告で部分的に成功したと述べています。

次ページChatGPTを使用してロボットに人間の言葉で指示できる

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

AI・人工知能のニュースartificial-intelligence news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!