オルドビス紀の海洋世界がすっぽり化石化!
![発見された化石群。虫のようなものや、ナマコのようなものがみられる。](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/1f7fff1f0875460445da32f6cca8e81b-900x506.jpg)
この驚くべき化石群は2020年に、研究主任のジョセフ・ボッティング(Joseph Botting)氏とルーシー・ミューア(Lucy Muir)氏によって発見されました。
ここには大量の古生物たちの軟部組織がきわめて良好な状態で保存されており、カナダのバージェス頁岩と比べても遜色ないといいます。
これまでの調査ですでに170種を超える古生物の化石が回収されており、そのほとんどが新種とのことです。
![発見された化石、A:ワーム型のプリアプルス類、B:管状の生物](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/middle-ordovician-mari-1-900x551.jpeg)
見つかった生物の中には、ワーム・ヒトデ・海綿動物・甲殻類の他に、カンブリア紀のオパビニアやメガケイラに似た絶滅節足動物も含まれていました。
つまり、カンブリア紀の古生物の一部はオルドビス紀まで生き延びていたことを証明しています。
![柔らかいクラゲのようにみえるものや、硬そうな貝のような構造もみえる](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/eb060686e7b4265fdde595ea12f233b7-900x506.jpg)
化石の多くは体長1〜5ミリと非常に小さかったため、ボッティング氏らは”海洋の小人世界(Marine Dwarf World)”と親しみを込めて呼んでいますが、眼や脳、消化器官まで精巧に保存されているものも多かったという。
このような詳細な情報はカンブリア紀の動物群からはよく得られていますが、オルドビス紀ではほとんど知られていませんでした。
![今回見つかったオルドビス化石群の復元イメージ](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/05/middle-ordovician-mari-900x499.jpeg)
研究者いわく、オルドビス紀は硬い骨格の進化と種の多様化が進んだ生命史の重要な時期です。
しかし、オルドビス前期〜中期の化石群の発見例がきわめて少なかったため、そこには大きなギャップが存在していました。
今回見つかった化石群は、その進化のギャップを埋める貴重な情報源となるでしょう。