カンガルーはどうして「両足跳び」で疲れないの?実は昔は二足歩行だった?
カンガルーはどうして「両足跳び」で疲れないの?実は昔は二足歩行だった? / Credit: canva
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「ジャンプ移動」でも疲れないカンガルー、昔はジャンプしなかったと判明 (2/2)

2023.06.16 Friday

前ページカンガルーの「ホッピング」の仕組みはどうなってる?

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カンガルーはかつて「二足歩行」だった?

英ブリストル大学(University of Bristol)の研究チームは、過去2500万年にわたるカンガルーとその近縁種の化石を広範に分析しました。

その中で、絶滅したカンガルーの脛(すね)と足首の骨を調べた結果、現代のカンガルーとは違い、持続的なホッピングができなかったことが示されたのです(Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology, 2023)。

特に今回の研究では、持続的なホッピング移動ができる体重の限界は約140〜160キロと示唆されました。

現代のカンガルーの大半は20〜30キロ、重くても50〜70キロほどです。

ところが、絶滅した「プロテムノドン(Protemnodon)」や「ステヌリン(sthenurine)」は体重が150キロ前後から200キロ近くあるものもいました。

そのため、二足歩行や四足歩行を主とし、ホッピングはできたとしても限定的か、かなり低速だったと考えられています。

つまり、カンガルーの移動手段は体格に合わせて多様に変化し、決して「ホッピング一本」ではなかったということです。

左:現代カンガルー、右:絶滅カンガルーの足首。絶滅種の足首はホッピングに不適だった
左:現代カンガルー、右:絶滅カンガルーの足首。絶滅種の足首はホッピングに不適だった / Credit: University of Bristol – Skipping evolution: some kangaroos didn’t hop, scientists explain(2023)

では、なぜ現代のカンガルーはホッピングを移動の主流としたのでしょうか?

これについてはまだ決定的な答えは出ていませんが、仮説の一つとして「広い草原に住んでいること」が挙げられています。

彼らが生息するオーストラリアの広大な土地は、鬱蒼とした樹木や複雑な勾配、坂道などの障害があまりなく、上下方向に細かく移動する必要がありません。

すると、まっさらな平地を延々と移動するには、バネ仕掛けのホッピングを使った方法が最もエネルギー効率がいいのです。

ただ環境の変化によって生息地のあり方が変われば、カンガルーの移動手段もまた変化するかもしれません。

ホッピングは必ずしも進化の終着点ではないのです。

カンガルーは人類よりも進化的に先を行く存在だった⁈

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