保存状態が完璧すぎる「古代ローマ時代のモザイク画」をイギリスで発見!
保存状態が完璧すぎる「古代ローマ時代のモザイク画」をイギリスで発見! / Credit: MOLA – First of its kind Roman mausoleum unearthed at London development site(2023)
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保存状態が完璧すぎる!約2千年前の「古代ローマ霊廟のモザイク画」を発見

2023.06.22 Thursday

古代ローマ帝国が滅亡して久しい時間が経ちますが、その耀かしき日々の遺物は今日も至るところで見つかっています。

そして先日、英ロンドンの建設現場で約2000年前の古代ローマ時代の霊廟が新たに発見されました。

発掘を率いたロンドン考古学博物館(MOLA)は「これまでにイギリスで発見されたローマ時代の霊廟の中で、最も完全な保存状態のものである」と報告しています。

また霊廟の床には、タイルを敷き詰めて描いたモザイク画もほぼ無傷の状態で見つかっています。

調査の詳細は2023年6月13日付でMOLAのプレスリリースに掲載されました。

First of its kind Roman mausoleum unearthed at London development site https://mola-newsroom.prgloo.com/news/rare-2-000-year-old-roman-tomb-unearthed-at-landsec-london-development-site ‘Completely unique’ Roman mausoleum discovered in rubble of London building site https://www.livescience.com/archaeology/romans/completely-unique-roman-mausoleum-discovered-in-rubble-of-london-building-site 2,000-Year-Old Roman Mausoleum Unearthed in Central London, the Most Well-Preserved in the UK https://www.sciencetimes.com/articles/44400/20230620/2-000-year-old-roman-mausoleum-unearthed-central-london-well.htm

モザイク画の真下にもう一枚のモザイク画を発見!

古代ローマの霊廟が見つかったのは、ロンドン中心部のサザーク地区にある開発途中の建設現場です。

この霊廟は正確にはマウソレウム(Mausoleum)」と呼ばれる建造物で、故人を埋葬する棺を納めたり、祖霊をお祀りする機能がありました。

今回見つかったのは地中に埋まった基礎部分であり、壁や屋根は無くなっていますが、入り口に通じる階段や内部の床などが残されています。

見つかった霊廟の全体像
見つかった霊廟の全体像 / Credit: MOLA – First of its kind Roman mausoleum unearthed at London development site(2023)

最大の注目ポイントは、床の中央部に赤や白のタイルを敷き詰めたモザイク画がほとんど無傷で見つかったことでした。

四角い白枠に二重の黒円で囲まれた赤い花が描かれています。

ここまで保存状態の良いローマ時代のモザイク画はイギリス国内でも極めて珍しいとのことです。

ほぼ無傷の状態で発見されたモザイク画
ほぼ無傷の状態で発見されたモザイク画 / Credit: MOLA – First of its kind Roman mausoleum unearthed at London development site(2023)

さらに驚きは止まりません。

なんとこのモザイク画を外した真下に、もう一つ別のモザイク画が発見されたのです。

上と下の写真を見比べてみると、モザイク画の絵柄も少し違うことが分かると思います。

モザイク画の真下にもう一つのモザイク画を発見!
モザイク画の真下にもう一つのモザイク画を発見! / Credit: MOLA – First of its kind Roman mausoleum unearthed at London development site(2023)

これについて研究者は「霊廟が使われていた当時に改修が行われて、床を一段上に高くしたと考えられる」と述べています。

また床の周りの壁に沿って、ピンク色のモルタルを固めて作られた台座が確認できました。

これはローマ時代の建築材料として広く使われていた「オプス・シグニナム(opus signinum)」と呼ばれるもので、耐久性と防水性に優れています。

おそらく、この上に故人の遺体を納めた棺を置いたのでしょう。

棺を置いたと見られる台座も確認できた
棺を置いたと見られる台座も確認できた / Credit: MOLA – First of its kind Roman mausoleum unearthed at London development site(2023)

一方で、霊廟内では人の遺骨や棺そのものは見つかっていません。

その代わり、床の上にはローマ時代の硬貨が100枚以上散らばっていたり、また霊廟の周囲では、故人の副葬品と思しきビーズや陶器、骨製の櫛(くし)、銅のブレスレットなどが出土しています。

MOLAの考古学者で発掘を率いたアントニエッタ・レルツ(Antonietta Lerz)氏は「今回の発見は、ローマ時代のロンドンの生活状況やライフスタイルを垣間見る上で魅力的な窓となる」と話しました。

ローマ時代のロンドンでは、紀元47年頃にクラウディウス帝(BC10〜AD54年)率いるローマ帝国が侵略し、ロンディニウム(Londinium)」という都市を築きました。

しかし5世紀初めにローマ帝国が衰退し、ロンディニウムから軍隊を引き上げたことで、ローマによる統治は終わりを迎えます。

後には、元々イギリスにいたブリトン人と移住していたローマ人たちが残されましたが、度重なる蛮族の襲撃を受けて、450〜500年の間に全ての住民が立ち去ってロンディニウムは放棄されました。

霊廟と周囲の発掘現場の景観
霊廟と周囲の発掘現場の景観 / Credit: MOLA – First of its kind Roman mausoleum unearthed at London development site(2023)

もちろん新たに見つかった霊廟も放置されたはずですが、レルツ氏は「おそらく、中世の間に他の場所で再利用するために霊廟の高い壁だけが解体されて持ち運ばれたのでしょう」と推測しています。

チームは今後、永久保存のために霊廟の移動と修復を行った後、一般公開を予定しているとのことです。

ちなみにチームは、霊廟の基礎部分からありし日の全体像を復元した3D映像も公開しました。

これを見ると、霊廟の中がどのようにレイアウトされていたのかが想像できます。

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