メンタルが悪化するかもしれない運動量「1ヵ月23回以上、1日90分以上」

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やり過ぎは逆効果?1日90分月23回以上の運動はメンタルに悪影響を与える

2023.09.23 Saturday

運動は身体的健康だけでなく、精神状態も改善します。

では具体的にどれくらいの時間・頻度で運動をすれば、最もメンタルを改善できるのでしょうか。

イギリスのオックスフォード大学のサミー・チェクロード氏(Sammi Chekroud)らの研究チームは、120万人以上の健康データを使用し、運動時間・頻度と精神状態の関係性を検討しています。

結果、まったく運動をしていない人と比較して、運動をしている人はメンタルが落ち込む日数が約43.2%少なくなりました。

そして精神状態を改善する最適な運動の頻度は、1日30-60分、週3-5回であることも確認されました。

しかしやりすぎは禁物です。

1回90分以上の運動を1カ月23回以上行った人は、メンタルヘルスを悪化する可能性があるようです。

この研究の詳細は、学術誌「ランセット精神医学誌」にて2018年8月8日に掲載されました。

One Hour of Exercise a Week Can Prevent Depression https://neurosciencenews.com/exercise-depression-7643/ Exercise linked to improved mental health, but more may not always be better https://www.sciencedaily.com/releases/2018/08/180808193656.htm
Association between physical exercise and mental health in 1·2 million individuals in the USA between 2011 and 2015: a cross-sectional study https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30099000/ Exercise and the Prevention of Depression: Results of the HUNT Cohort Study https://ajp.psychiatryonline.org/doi/10.1176/appi.ajp.2017.16111223 Facilitated physical activity as a treatment for depressed adults: randomised controlled trial https://www.bmj.com/content/344/bmj.e2758

どれくらいのペースで運動をすればメンタルに良いのか

どれくらいのペースで運動をすればメンタルに良いのか
どれくらいのペースで運動をすればメンタルに良いのか / Credit: Unsplush

運動は循環器系の疾病、脳卒中、肥満などのあらゆる原因の死亡率を低下することが良く知られています。

しかし運動と精神的健康の関連を調べた研究は存在するものの、その関係性ははっきり分かっていません。

ひとつ具体的な研究の例を挙げると、イギリスのブリストル大学の研究があります。

その研究では、18-69歳の男女361名を対象に、実験期間に運動をするよう指示される人と、指示されない人の2つのグループに分け、運動が精神的状態に与える影響を検討しています。

結果、運動は精神状態に良い効果をもたらしますが、10代においてはそのような効果はありませんでした

このような年齢層で違う傾向が確認された原因の1つには「サンプルサイズが少ない」ことがあったと考察されています。

また、どれくらいの頻度・強度・時間で運動に取り組めば、メンタルに一番良い影響を与えることができるか、一方で運動のやりすぎによりメンタルに悪影響はないかはわかっていませんでした。

運動が精神的健康を改善するのであれば、どれくらいのペース・強度・時間で運動をすればよいのかを明らかにすることは、多くの人にとって有益なはずです。

そこでイギリスのオックスフォード大学のサミー氏らの研究チームは、今までの最大規模の120万人以上の健康データを使用し、運動と精神状態の関係性を検討しています。

研究チームは、2011年、2013年、2015年に行動危険因子監視システム調査により収集された米国の120万人以上のデータを使用しました。

行動危険因子監視システム調査とは、米国全土で毎年行われる自己報告式の電話調査です。集められたデータを分析し、一般的な健康状態に関連する行動リスク要因に関する有病率データを提供しています。

彼らは運動をしている人と運動をしていない人の自己申告による精神的な落ち込みを経験した日数を比較

そして年齢、人種、性別、婚姻歴、年収、教育年数、BMI、身体的健康度の影響を除くため、調整を行ない、運動の有無と精神的状態の関係性を分析しました。

さて運動の有無は精神面にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。

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