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「長い箸」でご飯を食べると美味しく感じ、さらにダイエット効果がある

2023.10.17 Tuesday

食器を変えたらご飯が美味しく感じるようになったということはないでしょうか?

それは勘違いではないようです。

いくつかの研究では、皿の大きさや形、配色などの要素から料理の味の印象や満足感に影響が出ることが報告されています。

そして、台湾の明新科技大学のHung-Ming Lin氏(フンミン・リン)らの研究では、使う箸の長さによって食事の印象に変化が起きることを報告しているのです。

彼らの研究によると短い箸(19 cm)と長い箸(23 cm)を使ったとき、長い箸の方が咀嚼数が増え、より美味しいと感じ、同じ食材をまた購入して食べたいと強く思う傾向があったといいます。

こうした効果はどのような理由から生じるのでしょうか?

今回の研究の詳細は、学術誌「Psychological Reports: Employment Psychology & Marketing」にて2015年3月6日に掲載されています。

Influence of chopstick size on taste evaluations https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25748083/ A Field Study of Relatively Long Chopsticks Reduce Food Consumption http://converter-magazine.info/index.php/converter/article/view/302

長い箸 vs 短い箸 箸の長さは料理の味に影響するのか?

食器の大きさは食事量を変える
食器の大きさは食事量を変える / Credit: Unsplash

同じようなお腹の空き具合で、同じような分量の食事をしても、満足感が大きく異なるときがないでしょうか?

私たちは常に自分の食べた量を正確に把握しているわけではありません。

そこで、私たちは皿の大きさなどの別の手がかりを用いて、自分がどれだけ食べたのかを把握する傾向を持っています。

大きい皿と小さい皿では、同じ量の料理でも、小さい皿に盛られた料理は多く感じるでしょう。

食べた量の手がかりになるのは皿だけではありません。皿のほかにスプーンやフォーク、ストローや箸などがあります。

たとえば、細いストローよりも太いストローで飲んだ方が、長く飲み物を飲んでいたと感じ、大きいスプーンで食べると、量が少なく感じ、食べ過ぎてしまうことが分かっています。

これら食べ物を口に運ぶときに使う食器に関する研究は少数行われているものの、箸が食事に与える影響はあまり分かっていません

食事は人々の生活において重要な役割を持っているだけでなく、健康と主観的幸福感に多大な影響を与えます。

それゆえ、食器の物理的な特徴と食べ物の摂取量の関係性を理解することは、食器の生産とその使用の向上に関する情報提供として不可欠です。

そこで、研究チームは箸の長さに焦点を絞り、感じる美味しさや噛む回数などの心理・行動面への影響を検討しています。

実験に参加したのは、大学生78名です。

研究者らは、参加者を①長い箸(23 cm)を使う人と、②短い箸(19 cm)を使う人の2つのグループに分け、ご飯(80 g)を食べてもらいました。

そして食べ終えた後に、ご飯の香り、粘り気、硬さ、好感度、そしてもし購入するならどれだけ買いたいと思うかの評価をしてもらいました。

また箸の使いやすさが評価に影響する可能性を考慮し、箸の使用のしやすさの評価も行っています。

さて箸の長さによってご飯の美味しさや食べる時間に差はあったのでしょうか。

次ページ長い箸は食品の美味しさと商品の購買意欲を高める

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