psychology

「曖昧さ」が許せる人は優れた社会的行動を取れる

2021.01.27 Wednesday

2018.06.18 Monday

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Point
・曖昧さに寛容な人は協力的で、他人を信頼しやすいことが判明
・さらに、寛容な人々は自分の利益だけでなく他人の利益も考慮した社会的な行動を見せる
・これの関係は、他人の情報を収集したり不確実性を減らしたりすると解消される

12日付でNature Communicationsに掲載された研究によると、その人の結果や成果の「曖昧さ」に対する態度が、他人を配慮できる高い社会的行動を行う人かどうか判断する材料になるようです。

曖昧さの寛容といっても、リスクへのそれとは異なるものです。リスクは起こりうる危険な事象が既に予測されていますが、曖昧さはその事象さえも定義されていない状態。そこから各個人の将来的な結果や成果を知ることは難しく、精神的にも社会的にも負荷がかかります。

実験では、200名の被験者にリスクと不確実性を評価するために、1人でギャンブルゲームをしてもらいました。また、その後に、他人との協力を選択できるソーシャルゲームを実施。その協力は両プレイヤー間でメリットがありますが、同時に裏切りや損失に繋がる危険性も含まれます。

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Credit: Meki Cohea

その結果、曖昧さへの寛容さと協力する回数に相関関係が見られました。また、別の実験からは、寛容な人はあるプレイヤーが過去に信頼できる行いをしなくても、パートナーと協力することを発見しました。

実験から、曖昧さに寛容な人は自分の利益を求めるだけでなく、他人の利益も考慮した社会的な行動を見せました。一方リスクへの寛容さがあることは、社会的な行動には特に影響しませんでした。

また、被験者に他人との雑談や観察などで他人の情報を集められるようにしたり、社会的な選択の不確実性を減らしたりすると、曖昧なことに対する寛容さと積極的な他人への信頼は解消されたとのこと。

研究者のオリエル・フェルドマンフォール氏は、「不確実な結果が生じる状況が、個人が行動の指針とするために他人の行動に注意を向けようとすることにどう影響を与えるか理解に努めています。不確実性が多ければ多いほど、人は周囲に順応しやすくなるでしょう」と述べました。

「内向的」「外交的」は脳の仕組みからして違う

via:BrownUniversity / translated & text by ヨッシー

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