MITが副操縦士としてパイロットを補佐するAIシステムを開発!
MITが副操縦士としてパイロットを補佐するAIシステムを開発! / Credit: MIT – AI copilot enhances human precision for safer aviation(2023)
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MITが副操縦士としてパイロットを補佐するAIシステムを開発! (2/2)

2023.10.27 Friday

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Air-Guardianはどのように人間をサポートする?

開発を手がけたMITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)によると、Air-Guardianがメインに扱うのは「サリエンシー・マップ(Saliency Map)」です。

サリエンシー・マップとは、人がある画像を見たときに、視線がどこに向けられているかを画面上にピクセル単位で表示したものです。

これにより、人が風景のどのような場所に目を向けているのか、あるいはどこを見ていないのかが一目でわかります。

サリエンシー・マップの一例(黒画面の白い点が視線が向けられた場所)
サリエンシー・マップの一例(黒画面の白い点が視線が向けられた場所) / Credit: en.wikipedia

実際のシチュエーションでは、パイロットの視線をアイトラッキング装置によって追跡し、そのデータをAir-Guardianがリアルタイムで解析して、機長がどこを見ているのか、また何に気づいていないのかを特定するのです。

これだけでもパイロットが気づいていない危険信号を指摘することができます。

しかしAir-Guardianの仕事は、そんな単純なことだけに終始しません。

最も特筆すべきは「危機の予測能力」です。

Air-Guardianはパイロットの視線の向け方を積極的に解釈し、「この機長はどういう所を見る傾向にあるのか/どういう所を見落としやすいのか」を推定。

それを空の状況などと合わせて分析し、「こういう危険が起きる可能性がある。だから今のうちにこれこれの対処をしておいた方がいい」と指摘してくれます。

要するに、危険因子の点と点とつないで、潜在的なリスクを前もって回避する能力があるのです。

AIは人間に足りない能力を「補完」する役割

チームはAIシステムの有効性を検証するため、パイロットとAir-Guardianによる航行のフィールドテストを実施しました。

パイロットとAir-Guardianは、設定された目的地への航行を通し、同じ視覚データに基づいて意思決定を行います。

AIシステムの有効性は、航行中にどれだけリスクを回避できたか、より短い経路で目的地にたどり着けたかで評価されました。

その結果、Air-Guardianは飛行のリスクレベルを低下させるとともに、目的地までの安全かつスムーズな航行を達成したとのことです。

フィールドテストでも有効性を実証
フィールドテストでも有効性を実証 / Credit: canva

チームは、Air-Guardianが人間の注意や判断が揺らぐ瞬間に確実なセーフティネットを提供する女房役として、より安全な空の新時代を約束してくれると考えています。

例えば、1分1秒を争う問題に直面したとき、人間のパイロットだけでは「どの選択が正しいのか、誤った判断で乗客の命を危険に陥れてしまったら?」と迷い、貴重な時間をロスしてしまう恐れがあるでしょう。

また人間の五感だけでは捉えきれない重要な信号を見逃す可能性もあります。

その際に、Air-Guardianは空の天候や現在位置、エンジン残量や機体の状態、一番近い着陸場所などのデータを総合的に分析し、危機回避や生存率を最も高める選択を瞬時に判断して、パイロットに提案します。

パイロットの方もただそれを鵜呑みにするのではなく、AIの正確なデータと自らの経験を合わせて、ベストな判断をすばやく下します。

ここではまさに、ルークとR2-D2のように、人間とAIの協力体制が築かれるのです。

ヨーダのいる惑星ダゴバに向かうルークとR2-D2
ヨーダのいる惑星ダゴバに向かうルークとR2-D2 / Credit: The Freebooting Rodian – Star Wars: The Empire Strikes Back – Luke Lands On Dagobah(youtube, 2021)

研究主任のラミン・ハサニ(Ramin Hasani)氏はこう述べています。

「Air-Guardianは人間の判断に取って代わるものではありません。そうではなく、人間に足りない能力を補完することで、飛行の安全性をより強化してくれるものです。

このシステムは”人間の専門知識”と”AIの機械学習”との相乗効果を強調しており、困難な飛行シチュエーションにおいてパイロットをサポートし、操縦や判断ミスを減らすことを目的にしています」

R2-D2やフライデーのように、Air-Guardianがパイロットの補佐として活躍する日は近いかもしれません。

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