まるで革。初期の恐竜の卵は「カチカチ」ではなく「グニグニ」していた!
まるで革。初期の恐竜の卵は「カチカチ」ではなく「グニグニ」していた! / Credit: canva
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初期の恐竜の卵は革のように柔らかかった!

2023.11.17 Friday

映画『ジュラシック・パーク』では、恐竜の赤ちゃんが硬い卵からパリパリッと生まれてくる愛らしいシーンがありました。

しかし、最初期の恐竜の卵はもっとグニグニした弾力があったのかもしれません。

中国科学アカデミー(CAS)の古脊椎動物古人類学研究所(IVPP)は、約1億9000万年前のジュラ紀地層から新種の恐竜とその卵を新たに発見

さらにその卵は鳥やワニのような硬い殻ではなく、革のような質感をしていたことが判明しました。

恐竜の卵は柔らかタイプから始まって、徐々に硬くなっていったのかもしれません。

研究の詳細は、2023年10月9日付で科学雑誌『National Science Review』に掲載されています。

The first dinosaur egg was leathery https://www.eurekalert.org/news-releases/1007764 The first dinosaur eggs were probably leathery https://www.zmescience.com/science/news-science/the-first-dinosaur-eggs-were-probably-leathery/
Exceptional Early Jurassic fossils with leathery eggs shed light on dinosaur reproductive biology https://academic.oup.com/nsr/advance-article/doi/10.1093/nsr/nwad258/7303309#425075736

中国で新種の恐竜と卵を発見

研究チームは今回、中国南部・貴州省にある約1億9000万年前のジュラ紀前期の地層から、新種恐竜とその卵を発見しました。

回収された化石には、成体の骨格が3点と胚を収めた卵の巣の化石が含まれています。

骨格を調べたところ、この恐竜は初期の竜脚類のグループに属する種であることが特定されました。

竜脚類といえば、ブラキオサウルスやディプロドクスに代表されるような長い首と巨大な胴体が特徴的な恐竜グループです。

ただ本種は体長約6メートル、体重1トンとそこまで大きくはない中型の竜脚類と推定されています。

学名は新たに「守護黔竜(しゅごけんりゅう、Qianlong shouhu)」と命名されました。

属名のQianlongは「貴州の竜(Guizhou dragon)」を、種小名のshouhuは「守護(guarding)」を意味しています。

発見された化石と「守護黔竜」の復元骨格
発見された化石と「守護黔竜」の復元骨格 / Credit: Fenglu Han et al., National Science Review(2023)

また成体および卵胚の分析から、本種は幼い時期は四足歩行でしたが、大人になるにつれて二足で歩けるようになったことが示されました。

人間と一緒ですね。

一方で、彼らの卵には今までの恐竜にはない面白い特徴が見つかっています。

次ページ初期の恐竜卵は柔らかすぎず、硬すぎない?

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