赤ワインを飲むと頭痛が生じるのはなぜか
赤ワインを飲むと頭痛が生じるのはなぜか / Credit:Canva
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赤ワインだけで起きる頭痛の原因を特定!白ワインでは起きない理由とは?

2023.11.25 Saturday

世界人口の約16%は頭痛持ちだと言われています。

その原因は様々ですが、その中には、「赤ワインを飲むと頭痛が生じる」という人も少なくありません。

白ワインを含む他のアルコール飲料は大丈夫なのに、なぜか赤ワインを飲んだ後にだけ頭が痛くなるのです。

この「赤ワインの頭痛」の原因は諸説あり、これまでにもいくつかの仮説が提出されてきました。

そして最近、アメリカのカリフォルニア大学デービス校(UC Davis)ブドウ栽培・ワイン学部に所属するアンドリュー・L・ウォーターハウス氏ら研究チームは、「赤ワインの頭痛」を説明する新たな仮説を提出しました。

彼らによると、赤ワインに豊富に含まれるフラボノイドケルセチン」が原因となっている可能性が高いようです。

研究の詳細は、2023年11月20日付の学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。

Why Do Some People Get Headaches From Drinking Red Wine? https://www.ucdavis.edu/health/news/why-do-some-people-get-headaches-drinking-red-wine
Inhibition of ALDH2 by quercetin glucuronide suggests a new hypothesis to explain red wine headaches https://www.nature.com/articles/s41598-023-46203-y

「赤ワインの頭痛」の原因は諸説あり

味が濃く、酸味や渋みが特徴的な「赤ワイン」
味が濃く、酸味や渋みが特徴的な「赤ワイン」 / Credit:Canva

通常、「赤ワインの頭痛」は、赤ワインを飲んだ後、30分から3時間以内に発生すると言われています。

このような傾向がある人は、たとえ赤ワインを一杯程度しか飲まなくても、頭が痛くなります。

白ワインや他のアルコール飲料を少量飲んだとしても影響はなく、なぜか赤ワインだけ問題となるのです。

これまで「生体アミン」「亜硫酸塩」などの成分が、「赤ワインの頭痛」の原因かもしれないと報告されてきました。

しかし、ウォーターハウス氏ら研究チームによると、「赤ワインの頭痛の主な引き金として、関連性が明確に示された化学成分は無く、頭痛を引き起こすメカニズムも提出されてこなかった」ようです。

そこで彼らは今回、赤ワインを飲むと頭痛が生じるメカニズムを改めて調査し、新しい仮説を提出しました。

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