目標の立て方が集中力持続のカギ
目標の立て方が集中力持続のカギ / credit:フォトAC
psychology

「達成可能な小さな目標」をこまめに設定し続けると長時間集中力が持続する

2023.12.07 Thursday

やらなきゃいけないことがあるのについつい集中できずスマホに手が伸びる、そんな経験がある人は多いのではないでしょうか?

気が散っている時間を有意義に使えたら、作業効率は段違いに上がるのはわかっているものの、時間が経つと集中力はなくなっていきます。

特に仕事や勉強などを集中したままこなすのは至難の業です。

しかし、実はちょっとした気の持ちようでタスクに長時間集中できるようになるかもしれません。

アメリカ、オレゴン大学のディアナ・L・スト氏らは「自分自身に実現可能な目標を掲げる」ことで、タスクに対する集中力が長く持続できることを発見しました。

「目標を持てば集中できる」というのはよく言われることですが、大切なのはその目標設定のやり方です。

この研究はAttendance, Perception & Psychophysicsに2023年10月23日付けで掲載されています。

How to stay on task https://www.sciencedaily.com/releases/2023/11/231128160147.htm Setting Specific Goals can Improve Your Ability to Stay on Task https://sciencebeta.com/specific-goals-task-focus/
Effects of goal-setting on sustained attention and attention lapses https://link.springer.com/article/10.3758/s13414-023-02803-4

集中力の持続には「具体的な目標」が必要

目標は「具体的」かつ「実現可能」なものに
目標は「具体的」かつ「実現可能」なものに / credit:フォトAC

研究グループは、参加者100人に対し、簡単な4択問題を25分間次々と出題しました。

出題された問題を解くのにかかる時間をそれぞれ測定し、集中力が持続しているか調査します。

最初の実験では「実現可能かつ具体的な目標を定めた場合」と「漠然とした目標を定めた場合」について測定が行われ、「目標を設定していない場合」(対称区)と比較されました。

その結果「なるべく速く答えてください」という漠然とした目標を与えた場合より、「〇秒以内に答えてください」という実現可能で具体的な目標を定めた場合の方が、回答への所要時間が短くなったのです。

ここからは達成できる具体的な目標を定めることは、集中力の持続につながると考えることができます。

しかし、目標を設定しない場合と比べれば集中力を長く保つことができたものの、どちらの場合も時間経過とともに問題の回答速度は遅くなっていきました。

これは単に達成可能で具体的な目標を定めるだけでは、25分間集中を保つことができないということを意味しています。

そこで、研究者たちは集中力を持続するために、目標設定を行うタイミングに着目しました。

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