ローマの始祖ロムルスとレムスを育てたとされる狼像
ローマの始祖ロムルスとレムスを育てたとされる狼像 / Credit:Wikipedia Commons_狼少年 (野生児)
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「動物に命を救われて育てられた子供たち」がたどる道とは (2/3)

2024.03.21 Thursday

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オオカミに育てられた男児

インドの洞窟でオオカミと一緒に生活する6歳児が見つかる
インドの洞窟でオオカミと一緒に生活する6歳児が見つかる / Credit:Wikipedia Commons_狼少年 (野生児)

ディナ・サニチャー氏は、オオカミに育てられたインドの野生児です。

1872年、インドのウッタル・プラデーシュ州にあるジャングルの洞窟で、ハンターのグループは、オオカミの群れに混じっている6歳くらいの男児を発見しました。

ハンターたちは、この男児を救うため、洞窟内のオオカミを撃ち殺しました。

そして救出された男児は、ウッタル・プラデーシュ州の都市アーグラにある孤児院に連れていかれ、ディナ・サニチャーと名付けられました。

サニチャー氏は当初、「オオカミのように四つん這いで歩き、生肉を食べていた」と報告されています。

ディナ・サニチャー氏
ディナ・サニチャー氏 / Credit:Wikipedia Commons_Dina Sanichar

そして彼は20年以上人間社会で暮らし続けましたが、言語を話すことはなく、代わりに動物の鳴き声のような声を上げたという。

また人々の教育によって、二足歩行したり、服を着たり、カップと皿を使って食事したりすることも可能になりました。

しかし、それにもかかわらず、彼は四足歩行の方が上手で、裸を好み、食べる前にはニオイを嗅ぎ、肉を好んでいたようです。

サニチャー氏が人間の習慣の中で唯一好んだのは喫煙であり、ヘビースモーカーだったと言われています。

そんな彼は結核のため約34歳で亡くなりました。

サニチャー氏がどのような経緯でオオカミたちと過ごすようになったのかは分かりませんが、6歳までのその生活が彼を完全に野生児にしてしまいました。

サニチャー氏にとってオオカミたちに保護されたことは幸運だったのか、またその後、人間たちに保護されて連れてこられたことは幸運だったのか、野生動物のように過ごすことを望む彼の姿からそれを判断するのは簡単ではありません。

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