姿や色が全く異なるゴカイの新種を発見
姿や色が全く異なるゴカイの新種を発見 / Credit:Canva, 自見 直人(名古屋大学)_ウミウシ?いいえ、ゴカイです ~ウミウシに擬態する新属新種のゴカイを世界で初めて発見~(2024),ナゾロジー編集
biology

「ウミウシ?」「それはゴカイです」キモいゴカイが美しいウミウシに擬態する新種を発見 (2/3)

2024.08.03 Saturday

前ページ魚たちの大好物「ゴカイ」

<

1

2

3

>

ウミウシだと誤解させるゴカイを発見

ウミトサカの間を歩くケショウシリス(黒矢印). B, 全身図. C, 宿主のウミトサカ
ウミトサカの間を歩くケショウシリス(黒矢印). B, 全身図. C, 宿主のウミトサカ / Credit:自見 直人(名古屋大学)_ウミウシ?いいえ、ゴカイです ~ウミウシに擬態する新属新種のゴカイを世界で初めて発見~(2024)

研究チームが調査する中で、新種のゴカイ「ケショウシリス」は、「ウミトサカ」と呼ばれるサンゴの仲間に共生していることが分かりました。

通常、共生性の生物は、自分の存在を隠すために宿主と似たような形や色をしていることが多いものです。

しかしケショウシリスは、宿主のウミトサカとは全く異なる色彩や形をしており、目立っていました。

このことを不思議に感じた研究チームは、彼らの生息地周辺を調べることにしました。

ウミウシに似たゴカイ「ケショウシリス」を発見
ウミウシに似たゴカイ「ケショウシリス」を発見 / Credit:自見 直人(名古屋大学)_ウミウシ?いいえ、ゴカイです ~ウミウシに擬態する新属新種のゴカイを世界で初めて発見~(2024)

その結果、周辺にはケショウシリスに非常によく似たウミウシの仲間が生息していることが明らかになりました。

このウミウシたちは、「ミノ」と呼ばれる部分の先端に毒を溜め込むことで知られています。

そしてケショウシリスの非常に大きな触手は、このウミウシのミノにそっくりです。

比較画像から分かるとおり、大きな触手と小さな触手が交互に生えているところや、先端が白くなり、そこから少し離れた部位で色が濃くなっているところなど、様々な点で非常によく似ているのです。

ケショウシリスのこのような形質は近縁種では見られておらず、そのことは、このケショウシリスが「ウミウシに擬態するゴカイ」として世界で初めて発見されたことを示しています。

では、ケショウシリスは、どうしてウミウシに擬態しているのでしょうか。

次ページ毒を持つウミウシに擬態して魚たちから嫌われようとする「ケショウシリス」

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

生物学のニュースbiology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!