そんなまさか、食品が光るなんて…。
誰しも、購入していた食品が怪しい光を放っていたら目を疑うはずです。先日、「スーパーで買った玉子の寿司が光っている」という驚きのツイートが、ネット上で反響を呼びました。
スーパーで買った玉子の寿司
暗いところで見ると
光ってるんだけどなにこれ?(・ω・) pic.twitter.com/3VsSPCMXO5— KAZUライト@ルミオン⇔VOXY (@ka_zuan) 2018年9月15日
蛍の光かと思うくらいに、綺麗な青白い光を放っています。
このツイートはTwitterで瞬く間に拡散され、多くの人がこのつぶやきに対して反応しています。
プログラミングされた電子仮想プログラム食品ですよ
— がっきー0724@クソリプ大魔神 (@RIPGL) 2018年9月16日
優しい言葉をかけられて育った卵は、感謝のきもちでこうやって光るようです。
— あきゅぇいさん (@aqueisan) 2018年9月17日
では、なぜ玉子焼き寿司は光ったのでしょうか。そして、この光る玉子は食べても大丈夫なのでしょうか。
実はこの現象、1992年に日本で既に研究されていました。ネット上に論文が公開されており、誰でも読めるようになっています。タイトルだけ見るとちょっと面白い感じが漂っていますが、至って真面目な研究論文です。
そもそもこの研究のきっかけは、保健所に暗所で光る玉子焼きが苦情品として持ち込まれたこと。早速研究者たちは、その謎の光る卵焼きの原因を調べました。
研究者らが当初関与していると考えたのは、イカの発光で知られる発光細菌です。また、他にも発光する食品がないか調べるため、イカやマグロ、ボイルエビ、魚肉練り製品も調査対象としました。
調査の結果、玉子焼きから好塩性発光細菌であるP.phosphoreumを検出。この細菌は発光細菌の中でも発光強度が高く、青色に発光することで知られています。さらに、この細菌は10℃または25℃で保温した場合に発光が確認されました。つまり、室温でテーブルなどに長時間放置すると菌が増殖して発光するというわけです。
また、イカやボイルエビ、さらに焼き竹輪でも発光が確認されました。したがって、これらの食品を放置していると、玉子焼きと同様に発光する様子が見られます。
そして一番大事な問題はこれです。果たしてこの青色の光を放つ食品、食べられるのでしょうか?
研究では、発見された発光細菌の増殖に伴ってヒスタミンが産出されました。ヒスタミンは調理程度の加熱では分解されず、ヒスタミン食中毒を引き起こします。ただ、実験から検出されたヒスタミン量は最高でも250μg/gと少量でした。研究者によると、この量で食中毒を引き起こす可能性は極めて少ないそうです。
つまり、発光細菌あるところにヒスタミンありということ。食中毒になる可能性は拭えません。発光が多数確認できたり、腐敗臭がしたりする場合は、いくら綺麗でも避けた方がよいでしょう。
text by ヨッシー