animals plants

お腹の中で兄弟が「共食い」!?オオテンジクザメの赤ちゃんの不思議な生態 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2018.12.21 Friday

前ページ子宮から子宮へと移動するサメの赤ちゃん

<

1

2

>

胎内で共食い「卵食」

オオテンジクザメやシロワニの胎仔が子宮内を泳ぎ回ることができる理由ははっきり分かっていませんが、どちらの種も「卵食」と呼ばれるプロセスによって胎仔に栄養を与えているのではないかと、研究チームは推測しています。最初の受精卵から孵化した胎仔が、受精前の卵を胎内で捕食する、いわば「共食い」を行うのです。時には、隣の子宮に移動してでも卵を食べることがあります。

しかし他の卵とは、言ってみれば自分の弟や妹ということで…。よく考えたらエグい話です。

さらに、出産前のオオテンジクザメの子宮頚部が時々開いては、そこから胎仔が頭の先を覗かせる様子も観察されました。きっと生まれる前に、外の世界の様子を覗き見ているのでしょう。先程のエグさがウソのように、ちょっぴりコミカルで可愛いお姿。こちらも、子宮頚部が出産時以外は閉じている哺乳類とは対照的です。

多様な繁殖様式を持つ、「繁殖様式のデパート」であるサメ。そのタイプも、海中に卵を産み落とす「卵生」、卵が母体内で卵殻内の卵黄を栄養として育つ「卵黄依存型胎生」、胚が母親が作った未受精卵の黄身を栄養源にする「卵食型」や、ヒトと同じように母親の胎盤を通じて栄養供給する「胎盤型」など様々です。弟妹を食べちゃうブラックな顔と、誕生前に外界をチラ見するキュートな顔の両方を持ち合わせたオオテンジクザメの赤ちゃんの姿からは、生命の奥深さと生き物の面白さを感じることができます。

ハエトリグモは「母乳」で子育てしていることがわかる

referenced: livescience, natgeo/ written by まりえってぃ / edited by Nazolozy staff

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!