個体減少の一因となった可能性も
発見者であるカーネギー自然史博物館の研究者ブルース・ロスチャイルド氏は、高性能顕微鏡とコンピュータ断層撮影法を用いて詳しく分析。その結果、このガンは「骨膜」と呼ばれる骨の層の内側にできる「骨膜性骨肉腫」と判明しました。
さらに化石内に発見された「骨肉腫」は、私たち人間に見られるものと一致していたとのこと。今回の発見は「進化の系統樹を通して、ガン細胞が現代の人間にまで繋がっていることを証明した」とロスチャイルド氏は言います。
人間の「骨肉腫」は悪化すると肺にまで伸び広がって、死に至る恐れがあります。太古のカメも同じく身体機能が弱まって、天敵に狙われやすくなり、免疫システムも低下したでしょう。
「骨肉腫」が太古のカメを絶滅させた原因だったとは断定できませんが、同氏によれば「同種が骨のガンにかかりやすい体質なら、個体減少の一因となった可能性は十分にある」らしいです。
ガンって2億4千万年前の太古からある病気だったんですね。しかも個体を減少させてたかもしれないとは。ガンおそるべし…。