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男女でも一卵性!?非常に珍しい「準一卵性」の双子が世界で初めて妊娠中に発覚

2021.01.27 Wednesday

2019.02.28 Thursday

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Credit: photoac

通常、一卵性双生児はDNAを共有しているため、同じ性別となります。しかし2014年、オーストラリアで生まれた男の子と女の子の双子が、世界で2例目となる「準一卵性双生児」だったことが明らかになりました。

準一卵性双生児とは、2精子以上が受精したひとつの卵子が、何らかの原因によって分裂して双生児となったものです。同様のケースは他にひとつしか知られていないうえ、妊娠中に発覚したのは世界初となります。

このケースは、「The New England Journal of Medicine」で発表されています。

Molecular Support for Heterogonesis Resulting in Sesquizygotic Twinning
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1701313

一卵性双生児の妊娠が発覚したが…

妊娠6週間の母親の胎内を超音波検査で調べたところ、胎盤が1つだったことと、2つの羊膜腔の位置が判明。その結果から、一卵性双生児を宿していると診断されました。しかし、14週目に見た超音波検査では、双子の一方が男の子、もう一方は女の子であり、純粋な一卵性ではないことが分かったのです。

通常、双子には2つのパターンが知られています。遺伝子の異なる二卵性双生児は、2組の別々の卵子と精子が同時期に受精することで生まれます。一方、全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児は、一組の卵子と精子が受精した後に分裂し、細胞運命が決まる前に2つに分かれて別々の個体になることで生まれます。

2007年までは、準一卵性双生児は仮説上の存在に過ぎませんでした。しかし、双子をランダムに調べた結果、遺伝的なキメラとなる準一卵性双生児の存在を確認。双子はいずれも、異なる遺伝子セットを持った細胞が混ざり合ったモザイクだったのです。

そのひとつはX染色体を2つ持つ細胞で、もう一つはY染色体を1つ持つ細胞です。もし赤ちゃんが外陰部で性別を判断できない「半陰陽」でなかったなら、真実は見過ごされていたでしょう。

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