人間との恋を諦めた人にオススメの「人外恋愛映画」8選

culture 2019/03/23
Credit:twitter.com/shapeofwater

みなさん、恋してますか?かく言う私は、サッパリです。

今回は、恋愛事情に乏しくてもとりあえず月50本は映画を観てしまう筆者が、選りすぐりの「人間以外との恋愛映画」をご紹介。

「人間はもう諦めた」という1周回ってポジティブな方、あるいはモテすぎて「人間との恋愛に飽きた」という羨まけしからん方のどちらにもオススメです。

人外恋愛の肝は、なんといっても「禁じられた恋」的な雰囲気。ドキドキも一層高鳴ります。

さらに内面の美しさや、人種差別のように「マイノリティが陥る苦しみ」を教えてくれる奥深いジャンルでもあるのです。

それでは、早速いってみましょう。

1. 弟の彼女はラブドール!『ラースと、その彼女』(2007)

極度のシャイで人とほとんど会話できない、純朴な青年ラースが主人公。そんな彼を心配する兄夫婦でしたが、ついにラースから「彼女ができた!」との一報が入ります。しかし、彼が連れてきたのは、「ビアンカ」と名付けられた等身大のラブドールだったのです。

確かに、告白してもフラれる心配はないので彼女にはしやすいですが…。ビアンカと「もう眠い?」とか普通に会話するラースを見て、お兄ちゃんも「とうとう弟がイカれちまった!」と焦ります。

ですが、会話もロクにできなかった弟がビアンカとなら会話も弾む…。つまりこれは、「自分自身を変えようとする」青年の成長譚でもあるのです。みなさんも、子供の頃、大切にしていた人形とおしゃべりした経験があると思います。1人2役をすることで、「他者」という存在を学んでいくのです。

最後には、ほっこりとさせられるハートウォーミングな一作です。

2. 大人になってマーメイドと再会『スプラッシュ』(1984)

まったく泳げないカナヅチの青年アランは、海で溺れているところを美しい人魚に救われます。一方、海底に落ちていたアランの財布をもとに、人魚は彼のいるマンハッタンへとやって来るのですが…。

「下半身、魚なのにどうやってマンハッタンに?」と思った方、ご心配なさらず。彼女は、陸に上がって鱗が乾くと、人間の足に変化するのです。そして、水をかけたら、また人魚に戻ります。この仕掛けは、しっかり劇中で「人魚とバレてしまうのではないか」というハラハラ感へとつながっています。

それから、人魚の声がテレビ画面を壊すほどのキーキー声なのも面白いところ。水中で聞いたら、さぞ美声なんでしょうね。(あと、テレビで英語を速攻マスターするので途中から普通に喋ります。スゴイ。)

1人は、泳げない人間の青年、もう1人は、泳ぎ抜群の海の住人。まったく接点が見当たらないようですが、実はこの2人、子供のころに1度だけ会っていたのです。陸と海という大きな障害を乗り越えて、2人はハッピーエンドを迎えることができるのでしょうか。

3. 天使が人に恋をした『ベルリン・天使の詩』(1987)

永遠の命を持つ守護天使ダミエル。彼は、長い間、人々の苦しみの声を聞き、彼らを見守る役目を果たしてきました。そんな折、ダミエルは、サーカスのブランコ乗りであるマリオンに恋をしてしまいます。彼女を想うあまり、不老不死の天使をやめる覚悟をするのですが…。

この作品の見どころは、何と言っても、「天使の世界」と「人間の世界」」とのコントラストです。天使としてダミエルが見る世界は、白黒で平坦なもの。苦しみがない代わりに、喜びもありません。

しかし、人間として見る世界は、カラフルで起伏があり、喜びに満ち溢れています。血が出る自分に大喜びするダミエルは、天使のときとはうって変わって、子供っぽく人間的です。

喜びを知らないまま永遠に生きるか、それとも限られた時間の中で愛のある人生を謳歌するのか。私たちが、いかに色鮮やかで素晴らしい世界に住んでいるのか、ということに気づかせてくれる作品です。

4. 少年とヴァンパイアの小さな恋『ぼくのエリ〜200歳の少女』(2008)

12歳の少年オスカーは、いつも一人ぼっちで、クラスメートからは毎日、執拗ないじめを受けています。ある日、自宅アパートの隣部屋に、不思議な少女が引っ越してきます。真冬なのに、裸足でも全然平気で、薄着の半袖という格好。なんと彼女は、数百年も人の血を吸って生きてきたヴァンパイアだったのです。自分と同じ孤独な彼女に、オスカーは生まれて初めて恋心を抱くのですが…。

これは異質恋愛モノの中でも1番のオススメ作品です。居場所のない「いじめられっ子」と人間から追われる「吸血少女」、孤独と孤独が惹かれ合う小さな初恋は、涙なしでは観られません。ちなみに私は予告編のみで泣けます。

また、冷たく薄暗いスウェーデンの雪景色が、ダークな雰囲気を増長させて、2人の「ぼっち感」をより際立たせています。アパートの薄い壁ごしに、手でノックをする「モールス信号」を使って会話する場面が、とても切なく愛くるしい。

この作品は、『モールス』というタイトルでリメイクもされています。少しばかりショッキングなシーンもありますが、そんなことは気にせずとにかく観てほしい一作です!

5.異星人とのパンクな恋愛『パーティーで女の子に話しかけるには』(2017)

パンクロックを愛する高校生エンは、ある夜、空き家から聞こえる奇妙な音楽に引かれて中へと入ります。そこにはおかしな服に身を包み、おかしなダンスを踊る人々の集団がいました。家の中を見て回る内、集団の厳しい規則に歯向かう少女を見つけます。ザンというその少女と知り合う内、エンは彼女が人間ではないことに気づいていくのですが…。

お次は、思春期の少年少女によるクセの強い恋愛モノです。何になりたいのか分からなくて、ただ理由もなく世の中に反抗したい時期ってありませんでしたか。本作は、まさにその時期真っただ中の少年エンが主人公で、「パンク」は反骨心の表れでしょう。

同じく、異星人のザンも、集団のルールに反発しています。要するに、『ぼくのエリ』とは違って、今度は「反発心」同士が惹かれ合う話なのです。一言で言うと、まっこと奇怪な作品で、ビジュアルも音楽もすべてが強烈でキテレツ。

今後、間違いなく、カルト化して語り継がれる1本でしょう。

6.彼女は声だけのAI『her/世界でひとつの彼女』(2013)

近未来のロサンゼルス、妻と別れたばかりのセオドアは、最新の人工知能型OSを入手します。彼の相手をしてくれる「サマンサ」と言うそのAIは、生身の女性よりもお茶目で魅力的。話をする内、声だけのサマンサと恋に落ちていきます。

ついに、恋した相手が「AI」になりました。しかも、姿形のない声だけです。しかし、現実的には、この恋愛が1番ありえそうですよね。近い将来、AIの恋人を胸ポケットに入れて、会話するなんて光景が日常化するかもしれません。

…という妄想も楽しみつつ、本作は主人公セオドアの変化が物語の主眼となっています。サマンサは声だけのAIですが、その性格や会話内容は、セオドアの好みを予測してつくられます。つまり、セオドアの良き理解者となるのは必然で、彼は自分と対話しているとも言えますね。

とすると、最初に紹介した『ラースと、その彼女』に似たお話にも見えます。セオドアとサマンサの言い分がズレていくにつれて、彼の中の何かも変化しているのです。これは、AIを通して、現実の愛に気づくという奥深いテーマを持った作品ですね。

7.運命の相手ロミオはゾンビ⁈『ウォーム・ボディーズ』(2013)

死者がはびこる世界、ゾンビの青年Rは、食べ物を求めて仲間のゾンビたちと街に出ます。そこで、物資調達に来ていた人間と遭遇。激しい争いが勃発します。そんな中、Rは自分を射殺しようとする美女にときめいてしまうのです。

もう世の中は、ゾンビとの恋愛映画がまかり通る時代になりました。しかも、本作は、悪ふざけコメディではなく、かなりしっかりつくられた純愛映画となっています。そして、話の筋は明らかに、『ロミオとジュリエット』なんですね。

主人公の名前は「R」(ロミオのR)、そして恋する女性の名前は「ジュリー」(ジュリエット)。要するに、これはゾンビと人間との大きすぎる壁を乗り越えて、愛を成就させようとする若者たちの物語です。

また、ゾンビへの特効薬が「トキメキ」という点も面白い。ゾンビはときめくと、心臓がトクンッと動き出し、体が温まり始めるのです。もし、ゾンビと遭遇した場合は、愛してあげるといいかもしれません。そんなわけで、ゾンビ版ロミジュリをぜひ堪能してください。

8.イケメン魚人に一目惚れ『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)

声が出せず、話すことのできない女性イライザは、機密研究所の清掃員として生計を立てています。ある日、研究所に一体の魚人が入ったタンクが運び込まれ、イライザは、魚人の神々しい姿に魅了されます。彼女は、手話を使って魚人と秘密の絆を深めていくのですが…。

ここまで来ると、ある意味お手上げですね。なにせ相手は魚人。人魚とは違って、上半身まできっちり魚です。ただ、彼はただの魚人ではありません。その正体は、アマゾンの奥地で住人に神と崇められていたプリンス。つまり、超絶イケメン魚人というわけなんです。

本作は、「見た目は気にするな」とか「性格が大事」とかそんな小細工はありません。真っ向勝負の恋愛映画です。ただ相手が魚人なだけで。監督のギレルモ・デル・トロは、大のモンスター好きで、「外見からモンスターを好きになって何が悪い」という考えのお方。

愛の形は人それぞれ。水は自由自在に形を変化させることで、どんな愛の形にもなりえます。それが「シェイプ・オブ・ウォーター(水の形)」ということですね。

 

こう見ると「人以外との恋愛映画」には、比較的新しい作品が多く、現在進行形でアツいジャンルと言えます。それ自体の恋模様のワクワクもさることながら、1度人を離れてみることで、人間関係の大切さや現実世界の美しさに気づかせてくれる最高の映画群です。

さらに、このタイミングで「異形恋愛モノ」最強クラスと呼び声の高い『マネキン』のDVDが近日発売予定(4月24日)!この時代だからこそ、さらなる盛り上がりを見せて欲しいジャンルです。

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written by くらのすけ

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