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雪で発電!? 降る雪と接触するだけで発電できる装置が発明される

2021.01.27 Wednesday

2019.04.21 Sunday

Credit:newsroom.ucla.edu
Point
■降る雪と接触するだけで発電することのできる新装置が開発される
■「静電気」のメカニズムを利用することで、バッテリーのいらない発電が可能になる
■ソーラーパネルと組み合わせることで、降雪量の多い時期でも継続的な電力供給が可能になる

降れば降るほど暖かくなる。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームは、降る雪から電力を生み出すことのできる新装置を開発しました。雪と装置との間に起こる「静電気」を利用して電力をつくるので、バッテリーを必要とせず、どんな場所でも使用可能なんだとか。

装置は小さくて薄く、プラスチックシートのように柔軟で、防寒服の上につけることで体を暖めることができるようです。さらには降雪量や風向き・風速情報を知らせてくれる天気予報といった機能もついている優れもの。降雪の激しい地帯では大いに役立ちそうですね。

研究の詳細は、3月に「Journal Nano Energy」上に掲載されています。

All printable snow-based triboelectric nanogenerator
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211285519302204

「静電気」を賢く活用

物というのはすべて電気を持っています。「プラス(陽子)」と「マイナス(電子)」の2種類があり、通常は両者が互いにバランスを取っているので「ビリッ」と来たりはしません。

しかし物同士がぶつかったり摩擦が加えられたりすると、バランスが崩れて「マイナス」の電気が他方へ移動してしまいます。要するに、物同士の間には「マイナス」の電気を「奪う側」と「手放す側」という関係性があるんです。

すると「プラス」の電気を多く帯びている側と「マイナス」を多く帯びている側ができます。このとき、バランスをもう1度取ろうとして「マイナス」が「プラス」の側に戻ろうとします。この「マイナス」が戻る動きを「放電」と呼びます。静電気のビリビリの正体ですね。

Credit:newsroom

こうした「静電気」のメカニズムをもとに設計は進められています。研究チームのRichard Kaner氏によると、雪というのは「プラス」に帯電しやすく、「マイナス」の電気を手放しやすい性質を持っているとのこと。

そこでチームは「マイナス」に帯電しやすい物質を探すため、アルミホイルやテフロンを含む多くの物質をテストしました。その結果、シリコンがどの物質よりも「マイナス」電気を多く受け取るということが判明したのです。

次ページ冬時期のソーラーパネルにも役立つ

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