完全に同調した脳の動き
解析の結果マミジロスズメハタオリたちは、さえずるときに非常に同調した脳の活動を示した。
彼らはパートナーの声を聴くとその歌声入力をきっかけにして調整を行いデュエットをする。そのズレは0.25秒しかなかったという。
こうした歌の制御は、運動前野であるHVCの神経核のネットワークで行われているようだ。パートナーの歌声を聞き始めるとこの部分に変化が起き、自身の歌に対しても影響を与えるのだ。
この時の脳の活動は、2羽の鳥同士で完全に同期していたという。
これは、パートナーの歌の時間的パターンを組織化するネットワークが脳内に形成されていることで実現されているという。
こうした脳のメカニズムは人間社会での人々の活動や調整についても関連している可能性があり、人と協調して活動する場合の研究にも応用できるかもしれない。
今回の研究の成功は、無線送信機を使って野外の鳥の神経活動を、鳥たちにストレスを与えずに測定できることを示している。実験室の中だけで行われていた神経行動学の研究に対して新たな可能性を与えたと研究者たちは語っている。
しかし写真を見る限り、本当に鳥たちがストレスを感じていないのかはちょっと疑問ではある。