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メタンと二酸化炭素を置き換える一石二鳥なメタンハイドレートの採掘方法が見つかる! (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2019.06.28 Friday

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メタンと二酸化炭素の置換

そんな中で注目される方法が、メタンと二酸化炭素を入れ替えるという方法だ。もともとガスハイドレートは何かしらのゲスト分子が水分子に捕らわれて成立しているため、人類にとって不要なガスと天然ガスを入れ替えれば一石二鳥だろうというのである。

この方法なら、メタンハイドレートの氷床を破壊することも無いため、地盤を不安定にしてしまう問題にも対処可能なので、温暖化問題と共に実際は一石三鳥と言ってもいいかもしれない。

良いことだらけの様にも思われるが、現在のところこの方法はシミュレーションではあまりうまく行っていない。

原因は、高圧の状態のままではガスの置換が上手く進まず効率が悪いという点、そして連続してこの反応を繰り返すことが難しい点にある。メタンと二酸化炭素の置換は最初は順調に進むが、ある程度置換が進むと徐々に効率が落ちていってしまうのだ。

この問題に対して、新しい方法を提案しているのが今回の研究だ。

これまでの方法は、一挙にメタンと二酸化炭素の置換を実行しようとしていたが、新しい方法では窒素を添加して一旦ハイドレートの結合を解いて天然ガスを取り出してから、二酸化炭素を注入して再びガスハイドレートに戻すという二段階の工程で行われている。

この方法ならシミュレーション結果はかなり良好で、二酸化炭素濃度を増加させていけば、連続してこのプロセスを繰り返すことができるという。

これにより、天然ガスの開発と、二酸化炭素の封印が実現できるのだ。

Credit:pixabay

世の中を見渡すと、一方を立たせると片方が成り立たずという問題ばかりなので、なんだかこの方法は全てが上手く行き過ぎていて疑いたくなってしまうが、現在のところ研究者たちは非常にこの技術に期待を寄せているようだ。

日本人としては、ぜひとも早くメタンハイドレートの利用を実現して欲しいところだ。

思わぬ落とし穴が無いことを祈りつつ、研究の行く末を見守ろう。

快挙! -23℃で超伝導を確認 常温まであと一歩

reference:phys,MH21,J-Stage/ written by KAIN

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