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古代ボードゲームの失われたルールを復元する研究所

2021.01.27 Wednesday

2019.09.08 Sunday

Credit:depositphotos

Point

■オランダに古代ボードゲームの失われたルール解明を専門とする研究所が存在する

■歴史的な情報よりも、コンピューター技術を使ったデジタルな方法でのルール復元を行なっている

30年前に発掘された「ヴァンパイア」の正体が判明

何千年にわたり親しまれてきたボードゲーム。そのルールから、意外な文化が見えてくることがあります。

オランダ・マーストリヒト大学に、古代ボードゲームの失われたルールを取り戻す研究所があることを知っていますか?

「デジタル・ルデーム・プロジェクト(Digital Ludeme Project)」研究所は、歴史的資料よりも、コンピューター技術を積極的に用いてルールを再構築する「デジタル考古学」というアプローチを採用しています。

世界には発見されてもルールが分からないボードゲームがいくつも存在しています。研究所は一体どのような方法でルールの再発見を進めているのでしょうか。

ルール不明な古代のボードゲームたち

人類は数千年も前からゲームをプレイしてきました。

現在知られている中で最古のゲームは、紀元前3500〜3100年頃にエジプト人が始めた「セネト」と呼ばれるボードゲームです。しかしルールに関しては、2人のプレイヤーによるレースゲームという以外、詳細なルールは分かっていません。

王家の墓から出土したセネト/Credit:ja.wikipedia

セネトをプレイするネフェルタリの姿が描かれた壁画は発見されているものの、厳密なルールが記録された文書などは残っていないようです。

4人でプレイされるパトリ/Credit:ja.wikipedia

他にも紀元後300年頃にメソアメリカで始まったとされる「パトリ」というボードゲームもあります。パトリという平らな黒豆をサイコロとして使うすごろくのようなゲームですが、こちらもルールについてはどこからどのようにスタートするのかということすら分かっていません。

次ページコンピューター分析によるルールの再構築

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