葉の「枯れ具合」まで完全擬態する昆虫のスペックがスゴイ

animals_plants 2019/10/11
Credit:laughingsquid

自然界には、驚異的な生存能力を持つ生き物がたくさん存在します。

「ジャイアント・マレーシアン・リーフ(学名 Phyllium giganteum)」というコノハムシ科の昆虫もその1種です。

今回は、彼らの持つ驚きの擬態能力について紹介します。

隠れ専門のプロフェッショナル

「体は日頃食べているもので作られる」という言葉をよく耳にしますが、彼らはまさにその模範例です。彼らは常食とする葉っぱを食べることで、自らの体に生かします。

体色や葉脈の細かなライン、さらには枯葉の茶色い部分まで完璧に再現されており、間近で見ても葉っぱと見分けがつきません。

この擬態能力のおかげで、食事中でも天敵に狙われる危険性がないのです。

葉っぱじゃないよ 胴体だよ

こうした生存機能を「保護擬態(protective resemblance)」と呼びます。

しかし、その分、小さな目や触覚は捕食者の探索にほとんど役立たず、彼らも進んで天敵を探そうとはしません。探索ではなく、あくまでも隠れ専門のプロフェッショナルなのです。

葉っぱの枯れた部分まで完全再現しているところに、こだわりを感じます。

風に合わせてダンシング

そんな彼らにとって、無駄に動いてしまうことは最大の命取り。防御能力や俊敏性はまったくないので、見つかったら即アウトです。能力を見た目に全振りしてしまったわけですね。

ただ彼らもプロなので、そんなことは百も承知。天敵に気付かれないよう、必要時以外は基本的に微動だにしません。

Credit:laughingsquid

しかし、それでも動かないといけない瞬間は訪れます。そんな時は、ゆっくりと抜き足差し足で移動するか、あるいはダンシング戦法を駆使します。

例えば、風が吹いたりすると、周りの葉っぱに合わせて自らも体を前後にゆらゆら動かし、揺れる葉っぱに溶け込むのです。

Credit:laughingsquid

卵もすでにカモフラージュ済み

こうした徹底ぶりは、産卵のときでさえ継続されます。

他の昆虫たちは、木の枝や葉っぱの裏など、各々安全だと思う場所に産卵しますが、彼らは葉っぱにぶら下がった状態のまま卵を地面に落としていきます。

この状態のまま産卵

しかし驚くのはまだまだこれから。

なんと産み落とされた卵は、すでに植物のタネや昆虫のフンに擬態しているため、他の昆虫や動物が手をつけることがありません。母親たちが体を張って卵を守るのではなく、卵自体にすでにカモフラージュ能力を与えているのです。

奥と右手前にあるのが卵、真ん中が昆虫のフン

成長に合わせて体色もチェンジ

彼らの体色は、最初から新緑の青葉のような鮮やかさを保っているわけではありません。子供の時期は赤や茶色に近い色をしているので、それに合わせて枯葉や枝先に擬態します。

最初は赤茶色からスタート

体の色は成長するに従って徐々に青葉のような緑に変わっていくので、それに応じて住む場所も変えていきます。危険なのはこの移動時です。

ここで立派な大人になれるかどうかが試されるわけですね。

また、子どもと大人では体のサイズがまったく違います。彼らは大人になるまでに、実に7回ほども脱皮を繰り返して、大きな体へと成長していくのです。

ここまで違うサイズ、子ども(左)大人(右)

攻撃力や耐久性のない生き物たちは、天敵に襲われないよう工夫して生き残る道を模索しなければなりません。彼らがここまで徹底した擬態をするということは、それだけ身の回りに危険があふれているということでもあります。

その涙ぐましい努力、そして生命の神秘には、舌を巻くばかりですね。

動画はこちらから。

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