Point
■東アジアに端を発する肉食淡水魚「カムルチー」が、アメリカの15州まで拡大している
■カムルチーは、同じ生息域に住む生物ならほぼ全てを食い荒らす
■陸上でも呼吸が可能で、数日間なら水なしで生きながらえる
海の危険生物と言えばサメが代表的ですが、川にも同じように注意すべき生物がいます。
「カムルチー(northern snakehead, 雷魚)」と呼ばれるその生物は、アメリカで今最も危険視されている肉食淡水魚です。元は東アジアに生息していましたが、徐々に生息域を拡げて、ついにアメリカにまで入り込んできました。
すでに同国の14州でカムルチーの存在が確認されており、今週火曜日には、ついに15州目となるジョージア州での発見が報告されています。
この事態に対し、同州の「野生資源担当局(Wildlife Resources Division)」は「見つけ次第、直ちに排除してください。決して川には戻さないように」との異例勧告を公式に発表しました。
一体、カムルチーにはどんな危険性があるのでしょうか。
「生態系崩壊」をもたらす危険分子
カムルチーは一見して無害な外見をしていますが、大きくなると1mほどまで成長。小魚から両生類まで、同じ生息域にいる生物なら何でも食し、川の生態系を荒らします。
また専門的な調査によると、カムルチーが最も凶暴になるのは自らの子どもが襲われたときであることが分かっています。
さらに、カムルチーは産まれる卵の数は年間で10万を越えます。そのため、繁殖を放っておけば、川はカムルチーであふれ返り、次々と生息域を拡大していくことになるのです。