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記憶を思い出すには「体内時計」の働きが必要であることを発見 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.12.24 Tuesday

前ページ「思い出せない」遺伝子操作マウスの作製

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投薬による想起能力の改善

さらに、体内時計の壊れたマウスの脳の状態を調べた結果、神経伝達物質であるドーパミンによる情報伝達が損なわれていることも明らかになりました。

つまり、想起能力には体内時計とドーパミンの働きが欠かせないのです。

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Credit:depositphotos

体内時計が正常に働くことによりドーパミンを活性化させることができます。これによって情報伝達が活性化し、記憶を思い起こすよう促すようです。

この説を確固なものとするために、研究者は遺伝子操作マウスにドーパミンと情報伝達を活性化させる薬剤を与えました。すると驚くべきことに、ドーパミンが活性化することにより遺伝子操作マウスの記憶想起障害は改善されたのです。

以上の成果により、人に対してもドーパミンなどの薬剤を活用することで、記憶想起障害を改善できる可能性が見出されました。

近い将来、薬によって高齢者の物忘れや認知症が緩和されるかもしれません。

また、記憶を思い出すには体内時計の働きを正常に保つべきです。若い人でも高齢者であっても記憶力をフルに活用したい場合は、規則正しい生活をして体内時計を正しい状態に保つ必要がありそうです。

「後ろ歩き」で短期記憶が向上するという研究

reference: 東京大学大学院農学生命科学研究科·農学部 / written by ナゾロジー編集部

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