- インドネシア・西スマトラで観測史上最大の直径111cmを記録したラフレシア種が発見される
- ラフレシア・トゥアンムデと呼ばれるその花は、成長に9ヶ月をかけるが、開花期間は1週間ほどしかない
ポケモンで見慣れている私たちにとっては身近な存在かもしれません。
インドネシア・スマトラ島西部にて、観測史上最も大きな花弁を持つ花が発見されました。
ラフレシアの一種である「ラフレシア・トゥアンムデ(Rafflesia tuan-mudae)」は、世界最大級の花弁を咲かせることで知られています。
これまでの最高記録は、数年前に同地で発見された直径107センチのラフレシア種でしたが、今回はそれを上回る111センチを記録しました。
開花期間はわずか1週間
ラフレシア・トゥアンムデが分布しているのは、東南アジア諸島。多肉質の大きな花弁を咲かせ、その表面は水ぶくれのような白い斑点で覆われています。
トゥアンムデを含むラフレシア種は、すべて寄生植物です。トゥアンムデは、ミツバカズラというブドウ科のつる植物を根城にし、巨大な花弁を咲かせる前は約9ヶ月にわたり、エネルギーを吸い取って成長します。
しかし、開花期間はわずか1週間ほどで、その後は徐々に縮んで腐敗し始めるといいます。
トゥアンムデは、満開時に腐った肉のような悪臭を放つことから「死体花(corpse flower )」とも呼ばれます。満開時に放たれる悪臭でハエをおびき寄せ、彼らを送粉者とし、花粉を媒介させて子孫を残すのです。
ひまわりに止まるミツバチに比べると、あまり見たくない光景かもしれません。しかし意外にも、トゥアンムデ(tuan-mudae)とは、現地の言葉で「寵愛される若い王子(Beloved or young Prince)を意味するんだとか。
現地民にとっては、ハエの集まるその姿が、チヤホヤされる若き王子に見えたのかもしれませんね。