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ペットとしても身近なカメですが、その出自は意外にも謎に包まれています。
「カメが何者で、どこから来たのか」という問いは、長年の間、生物学者たちを悩ませ続けてきました。
そんな事情を知らない身としては、当然のごとく、「ヘビやトカゲのような爬虫類の仲間だろう」と思ってしまいます。
ところが実際は、鳥やワニの仲間に近いというのです。
カメ誕生の3つの仮説
カメの起源については、これまで3つの仮説がありました。
1つ目は「原始的爬虫類説」で、これは爬虫類が進化し始めた初期段階ですでにカメも、他のトカゲやワニのグループと同時に誕生したというものです。
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2つ目は「トカゲ近縁説」で、トカゲやヘビのグループから派生したというもの。
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そして3つ目が「ワニ・トリ近縁説」で、鳥やワニが属する主竜類(Archosaurs)の仲間とする説です。
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どの仮説が正しいのかは、学問別のアプローチによって異なっていました。
例えば、解剖学や化石分類学によると、カメはヘビやトカゲの仲間であるとされています。一方で遺伝学によると、鳥やワニが属する主竜類に近いとされています。
こうした学問別の食い違いから、専門家の間でも、カメが正確にどの仲間に属するのか不明だったのです。
しかし、ここ10年近くで急速に発達したDNA解析により、カメは遺伝子的に主竜類の仲間であることが明らかになりました。