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新型コロナの「遺伝指紋」を作成した結果、日本にヨーロッパ型が侵入したことが判明 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.04.21 Tuesday

前ページ同じ国のなかでも複数のウイルス型が存在する

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新型の出現速度は指数関数的に増加している

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ウイルスは日が経つごとに変異の量と速度を増加させている/Credit:bioRxiv

研究によって得られた統計データを分析した結果、新型コロナウイルスは日数が経過し感染者が増加するにつれて、オリジナルからの変異量を加速度的に増加させていることがわかりました。

上のグラフの左の軸は、ウイルスがオリジナルから変異した量を日数ごとに白丸で示しています。

グラフから、新型コロナウイルスはより効率的な感染能力を求めて自分を変異させ続けている様子が読み取れます。

そしてアメリカで東アジア型が衰退したように、現在はウイルスのサブグループ(型)どうしで内戦のような状況が発生しています。

ウイルスは、他の型によって患者が死んだり免疫が生じたりする前に、自分の型を感染させて増やさなければ生き残れないからです。

ですが、もしかしたら、このウイルスどうしの内戦に人類の付け込む余地があるかもしれません。

というのも「感染しても無症状になる型」がウイルスどうしの内戦に勝利した場合、それは人類にとっても勝利と言えるからです。

ですが特定の型に援助を行い「ウイルスをもってしてウイルスを倒す」戦略は、つまるところウイルスとの共存です。

人類が新薬をもって、一撃のもとにウイルスを絶滅させる…。そんな夢のような未来を信じている人もいるかもしれませんが、ウイルスの変異速度を考えると難しいと言わざるを得ないでしょう。

この研究内容の詳細はアメリカ、ドレクセル大学のZhengqiao Zhao氏らによってまとめられ、4月7日に学術雑誌「bioRxiv」に掲載されました。

新型コロナウイルスはヨーロッパへ広がるために変異していた?ウイルスの系譜が明らかに

reference: phys.bioRxiv / written by katsu

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