「サル」が新型コロナ感染者の血液を盗んで逃走、アウトブレイクの危険性も(インド)

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1995年公開の『アウトブレイク』というアメリカ映画をご存じでしょうか。

未知のウイルスを保有した1匹のサルが、アフリカから密輸入され、アメリカの町に解き放たれる。そのサルに引っかかれたペットショップの店員から爆発的な感染(アウトブレイク)が発生するという物語です。

この物語を思い出す出来事が、先月29日、インドで発生しました。

なんと医療研究所に1匹のサルが押し入り、新型コロナウイルスに感染した患者の血液サンプルを盗みだしたというのです

爆発的感染の危険性も

事件は、インド北部のウッタル・プラデーシュ州にある「LLRM(ララ・ラジャパット・ライ)記念医科大学」で発生しました。

現場に居合わせた研究員は「キャンパス内のラボに侵入し、数点の医療品と感染者の血液サンプルを盗んでいった」と話します。

その後、大学付近の樹上にいる様子が撮影されました。

血液サンプルを手に持ち、手術用手袋のようなものを噛んで下に落としているのが見えます。

近年、インドでは野生のサルが市街地に侵入し、人を攻撃する事件が増加していました。生息環境の破壊により、人の居住区に降りてきたことが原因と言われます。

同州ではこれまで、7170件の新型コロナ感染者が出ており、近隣住民はさらなる感染拡大の危険性に不安の声をあげています。

ヒトからサルへのウイルス感染はありうる

中国・武漢に端を発する新型コロナは、動物から人に伝染したウイルスと言われており、それがまた動物へと感染することは可能です。

実際、米・ニューヨークにあるブロンクス動物園では4月、トラ5頭とライオン3頭が無症状の飼育員から新型コロナに感染したことが報告されています。

また、現行のワクチン開発は、新型コロナに感染できるアカゲザルでテストされています。

そのため、血液サンプルを盗んだサルが同ウイルスに感染し、それがまた人へと伝染する可能性は十分にありうるのです。

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一方で、同大学長のS. K. Garg博士は「ヒト感染者の血液から動物への伝染はこれまで確認されていない」と話します。

新型コロナの伝染は唾液による飛沫感染が主で、血液への接触から感染するかどうかは分かりません。

それでも、報道機関や地元住民からは、血液サンプルを盗まれた経緯や今後の対策を報告するよう、問い合わせが殺到しているようです。

インドでは現在、16万5799件の感染者と4706名の死者が確認されています。

今後、サルによるアウトブレイクは防ぎたいものです。

日本人は新型コロナウイルスに対して免疫を持っている可能性 低い死亡率の原因?

reference: livesciencenytimes / written by くらのすけ
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