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”超新星爆発の10倍の明るさ”を放つ新種の宇宙爆発が発生 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.06.09 Tuesday

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超新星爆発でもガンマ線バーストでもない

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超新星(左)と、ガンマ線バースト(右)の想像図。/Credit:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Alexandra Angelich (NRAO/AUI/NSF),ESO/A. Roquette

コア崩壊型と呼ばれる通常の超新星爆発では、物質は球形の爆風を発生させます。

さらにこれに加えて、爆発後に残った中性子星やブラックホールの周りに残留物質が一時的な降着円盤を形成して、光速に近い速度で極方向にジェットを噴射します。

このとき細いガンマ線のビームが生成されることを、特にガンマ線バーストと呼びます。

ガンマ線バーストのエンジンとなるのは、降着円盤の回転です。これはFBOTにも同様のものが見られました。

しかし、FBOTの場合はもっと密度の高い厚い物質で覆われています。これは、FBOTの発生直前に、伴っている連星から物質を奪い取った可能性があると考えられています。

ここに爆風が当たることで、非常に明るい可視光のバーストが発生し、超新星とは異なった輝きが発生するのです。

その明るさは、一般的な超新星爆発の10倍近いといいます。

また、ガンマ線バーストで噴出する物質の質量は、太陽の100万分1程度とされていますが、「CSS161010」では太陽質量の100分の1から10分の1もある物質が打ち上げられました

そのためFBOTは、よく知られている超新星爆発やガンマ線バーストに似ていながらも、はるかに明るく強力な爆発なのです。

また、この閃光は非常に短時間に起きるため、これまで見過ごされたことが多いとのこと。

FBOTは非常に珍しい現象と考えられ、研究をすすめることが難しいようですが、ここで何が起きているか明らかにするには、より多くの同種天体を発見して解析する必要があるようです。

現在のところ、ここで明確に何が起きているかは謎に包まれています。

コアラの研究については、カリフォルニア工科大学のAnna Y. Q. Ho氏を筆頭とした国際研究チームより、CSS161010の研究は、ノー​​スウェスタン大学のD. L. Coppejans氏を筆頭とした国際研究チームより発表され、それぞれの論文は、天文学に関する学術雑誌『The Astrophysical Journal 』『The Astrophysical Journal Letters』に5月26日付けで掲載されています。

The Koala: A Fast Blue Optical Transient with Luminous Radio Emission from a Starburst Dwarf Galaxy at z = 0.27
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ab8bcf
A Mildly Relativistic Outflow from the Energetic, Fast-rising Blue Optical Transient CSS161010 in a Dwarf Galaxy
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ab8cc7

2017年以来最大の太陽フレアが発生!新しい太陽周期がやってくる?

reference: sciencealert,NRAO/ written by KAIN
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