ハチドリは”人に見えない色”を見ていることが判明! 「赤・緑・青・紫外線」4原色の世界

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Credit: jp.depositphotos
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  • 人の色覚は、赤・緑・青の三原色をベースとする
  • ハチドリは、この3色に加えて、紫外線も知覚できることが判明(4原色をベースとする)

米・プリンストン大学の最新研究により、ハチドリは人には見えない色の世界を見ていることが明らかにされました。

これはハチドリが、人には存在しない「錐体細胞(色の知覚に必要な視細胞)」を余分に持っていることに起因します。

実験では、紫外線を含む「非スペクトル色」の識別能力が証明されました。

ハチドリは、私たちには想像もつかない知覚の世界を見ていることが予想されます。

色の知覚

光の三原色/Credit: shokabo

色を見るには、光に反応して波長を見分ける錐体細胞が必要です。

人間の錐体細胞は3種類あり、それぞれ「赤・緑・青」の波長を識別します。これが光の三原色であり、この3つを適当な強さで混ぜ合わせることで、人に見えるすべての色が作れます。

その可視色の範囲を示したものが、色度図です。

色度図/Credit: shokabo

色度図に含まれない色は「非スペクトル色」と呼ばれ、残念ながら人には見えません。例えば、赤外線や紫外線がそうです。

しかし、色度図の底辺にある直線部分は「純紫軌跡」といって、そこに含まれる紫は人にも見える非スペクトル色になります。

Credit: rock77

これに対し、鳥類には、紫外線を知覚できる4つ目の錐体細胞が存在すると言われています。つまり、三原色に紫外線が加わることで、鳥類の可視色の幅は私たちよりはるかに広いと考えられるのです。

そこで研究チームは、コロラド州に生息するフトオハチドリを用いて、視覚能力のテストを行いました。

ハチドリの知覚世界

実験では、非スペクトル色を含む多くの色が表示されるように設定されたLED装置が用いられました。

このLED装置を準備した2つの給水場に設置します。片方はハチドリの好きな砂糖水で、もう片方は普通の水です。

砂糖水には、人に見えない「紫外線+緑」のライトを当て、普通の水には人に見える「緑」のライトを当てました。人の目にはどちらも同じに映ります。

実験は反復して行われ、場所の記憶を使えないよう定期的に給水場も入れ替えました。

Credit: princeton.edu

その結果、ハチドリは、「紫外線+緑」と関連する砂糖水を一発で当てるようになったのです。これはハチドリが「紫外線+緑」を目印にして、砂糖水を選んでいることを証明します。水の識別に、嗅覚は使われていませんでした。

3年に及ぶ実験の中で、ハチドリは、人には見えない「紫外線+赤、紫外線+緑、紫外線+黄、紫外線+紫」のような色を明確に見極めていることが明らかになっています。

研究チームのメアリー・キャスウェル・ストッダード氏は「この結果は、人の色覚が3原色を基本とするのに対し、ハチドリは4原色を基本とすることを証明している」と指摘します。

また同時に、約1000種類の鳥の羽毛と2400種類の植物を調べた結果、ハチドリは、その3分の1を非スペクトル色として知覚していることも分かりました。

おそらくハチドリは、4原色をベースとする視覚能力を、自然界における採餌や交配、捕食者からの逃避行動に大いに活用しているのでしょう。

研究の詳細は、6月15日付けで「PNAS」に掲載されました。

Wild hummingbirds discriminate nonspectral colors
https://www.pnas.org/content/early/2020/06/09/1919377117

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reference: sciencealertphys.org / written by くらのすけ
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