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日本人の甘党は「お酒が苦手」だと判明! 甘さの好みを決める遺伝子領域が特定される

2021.01.27 Wednesday

2020.06.23 Tuesday

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日本人の甘党はお酒が苦手だが、欧米人は甘党ほどお酒が好き/Credit:東京大学農学部(一部ナゾロジー編集部記入)
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  • 日本人の甘さの好き嫌いを決めている遺伝子領域が判明した
  • 甘さを決めている部分はお酒の強さにかかわる領域でもあった
  • 両者の関係を調べた結果、日本人の甘党はお酒が苦手だと判明

東京大学の研究者によって、日本人の甘味の嗜好性にかかわる遺伝領域(rs671)が発見されました。

この「rs671」は東アジア人だけにある領域であり、お酒の強さを制御している部分としても知られています。

その領域を分析することで、日本人は甘いものが好きな人ほどお酒に弱く、甘いものが嫌いな人ほどお酒に強い……という逆相関の傾向があることが判明しました。

これは既存のヨーロッパ人を対象にした研究結果(欧米人は甘いものが好きな人ほどお酒に強い)とは真逆になります。

いったいどうしてこのような差がうまれてしまったのでしょうか?

味覚の好みはとても変異しやすい

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環境の変化に対しては身体の形態変化より先に、まず味覚が変化する/Credit:depositphotos

生活環境の変化に適応する際に、最もコストがかからない方法は、味覚を変化させることです。

味覚の変化により、動物は環境に適合した食べ物を好むようになり、生存能力の底上げが可能になるからです。

これまでの研究により、人間の味覚もまた非常に変化しやすく、遺伝子内部の僅か1塩基の差(一塩基多型)によって変化することが知られています。

しかし一塩基多型は地域による違いが大きく、国外の味覚の研究結果が日本人にあてはまるとは限りません。

そこで東京大学の研究者は、日本人12000人を対象に甘味の好みを決定している領域を探すことにしました。

甘味に対する嗜好性の強さは糖尿病や肥満をはじめとした生活習慣病を引き起こす恐れがあり、日本人特有の甘味メカニズムを解明できれば、日本人に合った予防や治療法が開発できる可能性があるからです。

次ページアルコール代謝にかかわる遺伝子内部に甘味の好みを発見

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