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アンモナイトはかつて「魔法石」として重宝されていた

2021.01.27 Wednesday

2020.07.12 Sunday

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先端にヘビの顔が彫られたアンモナイトの化石/Credit: nhm

アンモナイトは、およそ4億年前〜恐竜絶滅の6600万年前まで生きた海洋生物です。

イカやタコの仲間である頭足類に属していましたが、生きた姿よりも化石として残った姿が有名でしょう。

アンモナイトの化石は世界各地で見つかっており、その幾何学的な美しさは、古来より人類の想像力をかきたて、数々の伝承を生み出してきました。

人類にとってアンモナイトは、科学的な探求の対象となる以前に、魔力や薬効を持つ不思議な石だったのです。

「アンモナイト」という名前は神話から生まれた

そもそも「アンモナイト」という名前自体が神話に由来しています。

うずまき状の見た目がギリシア神話の神アンモーンの羊の角に似ていることから、最初は「アンモーンの角」と呼ばれていました。

その後、「アンモーン(Ammon)」に石を意味する「〜ナイト(ite)」をくっつけて、「アンモナイト(ammonite)」となったのです。

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羊の角を持つ「アンモーン」の彫像/Credit: ja.wikipedia

古代のギリシアやローマでは、アンモナイトに特殊な力が備わっており、失明や不妊症、不能症に効果があると信じられていました。

またローマ人は「アンモナイトを枕の下に置いて寝れば、自分の未来が予知できる」と考えていたそうです。

「抜けた歯を枕の下に入れておくと、妖精がやってきてコインと交換してくれる」という欧米の伝承に似ていますね。

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