高速道路を建設中に115体の「子どもの人骨」が出土! 口の中にはナゾのコインが詰められていた(ポーランド)

history_archeology 2020/06/29
Credit: ancient-origins

今月23日、ポーランド南東部・ポトカルパチェ県の町イェジョヴェで、高速道路の敷設作業中に115体の人骨が発見されました。

人骨の7〜8割は子どもで、奇妙なことに、その大半が口内にコインを含んだ状態で見つかっています。

長年の間、同地では「子どもたちを葬った墓地がどこかに埋まっている」と信じられており、その噂を証明したことになります。

埋葬された年代は17世紀

Credit: Gminne Centrum Kultury w Jeżowem

人骨の大半は、頭が西向きになるよう横たえられ、間隔を空けて個別に埋葬されていました。他方で、密に並べられた4体の子どもの遺骨もあり、何らかの血縁関係があることを示唆します。

どの遺骨にも共通して見られたのは、口にコインが入っていたことでした。

採取したコインを調べてみると、その多くが、かつてのポーランド国王・ジグムント3世の治世(1587〜1632)に鋳造されたものと判明しています。また、もう少し後年のヤン2世の治世(1648〜1668年)のコインもありました。

このことから、人骨の埋葬年代は主に17世紀であることが伺えます。

両ポーランド王時代のコイン/Credit: Wikimedia Commons

また、歴史文書によると、1604年に同地を訪問した司教団が「イェジョヴェには、大きな教会や庭園、牧師館、学校、墓地が建てられていた」と書き残していることから、この共同墓地の起源は16世紀後半に遡ると考えられます。

コインは「カロンの渡し賃」

口の中のコインについて、調査を行った考古学者のKatarzyna Oleszek氏は「カロンの渡し賃(Charon’s obol)と呼ばれる、キリスト教以前の埋葬の伝統から来ている」と指摘します。

カロンとは、ギリシア神話に登場する冥界の河ステュクスの渡し守のこと。この河は死者と生者の世界を分ける境界線であり、カロンは渡し賃の1オボロスで死者の霊魂を黄泉の国に送り届けました。

これを「カロンの渡し賃」と呼びます。

渡し守カロン、『神曲』の挿絵から/Credit: ja.wikipedia

古代ギリシアでは、コインが鋳造され始めた紀元前5世紀頃から、死者の口に1オボロスを含ませて埋葬する習慣が始まったとされます。その後、カロンの渡し賃は、ローマ帝国やイベリア半島、次いでイギリス、ポーランドなどへと伝播していきました。

今回発見されたコインもその習慣に則ったもので間違いないでしょう。

一方で、墓地からは遺骨とコイン以外に何も出土していません。副葬品は言うまでもなく、棺の痕跡も見当たらないのです。

このことから、Oleszek氏は「当時のイェジョヴェは、非常に貧しい地域だったのかもしれない」と推測しています。

Credit: Arkadia Firma Archeologiczna

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reference: ancient-originsibtimes / written by くらのすけ
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