新しいハイドロゲルの開発
こうした背景にあって、ワイリー氏らは膝軟骨と同じ特性を備えたハイドロゲルを作成することに成功しました。
ちなみに、ハイドロゲルとは水を液体成分とするゲル状物質のことです。
この新しい素材の主な成分は吸水性ポリマーです。
吸水性ポリマーとは自重の数百倍から千倍までの水を吸収できる素材であり、その特性から紙おむつや生理用ナプキンなどに利用されています。
人工軟骨ゲルの場合、①1つの吸水性ポリマーはスパゲティのような紐状であり、②柔軟性が低く網状で負電荷を帯びた別のポリマーと絡み合っています。
さらに、③セルロース繊維(植物の主成分で作られた繊維)で作られたポリマーがそれら2つの素材を繋ぎ合わせる網の役割を果たしています。