黒さを最大化させる「メラノソーム」を保有
黒さの秘密について調べてみると、これらの魚は、黒色色素が詰まった「メラノソーム」という細胞小器官を保有することが分かりました。
皮膚の色は「メラニン」という色素によって作られ、その量が多ければ多いほど黒さは増します。そのメラニンが詰まったものが、メラノソームです。
深海魚では、メラノソームが皮膚表面に配置されているおかげで、メラニンの生産量を最大化され、光の反射・吸収率が高くなっていました。
深海には、ヘッドランプのような生物発光を駆使して獲物をハントする魚もいますが、黒色魚の皮膚は、こうした生物発光の光も吸収するため、簡単には見つかりません。
中には、超黒色の皮膚に加え、生物発光の能力も持つズルい深海魚もいます。放った光は自らの皮膚に吸収されるため、光だけがボンヤリ輝いて見え、それにつられて獲物が不用意に寄ってしまうのです。
まさに天から二物を授かった魚と言えるでしょう。
研究主任のカレン・オズボーン氏は「深海魚の皮膚構造を模倣することで、安価かつ高性能な超黒色材を作ることが可能」と話しています。
研究の詳細は、7月16日付けで「Current Biology」に掲載されました。
https://www.cell.com/current-biology/pdf/S0960-9822(20)30860-5.pdf?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982220308605%3Fshowall%3Dtrue
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