ブルターニュ群がピンチ?
調査によると、ブルターニュ群は現在、フランスから離れ、より高緯度に向かって移動していることが分かりました。
動植物は、地球が寒冷化し始めると暖かい場所を求めて南下し、温暖化に転じると涼しい場所を求めて北上します。ブルターニュ群は、温暖化に直面し、より涼しい楽園を目指して移動しているのかもしれません。
しかし、その先に待ち構えるのは、アメリカ・カナダ群や北ヨーロッパ群です。コンブ界には「自分たちの陣地は絶対死守」という掟があるため、別種のコンブが交わることはありません。
新参者の立ち入りは許されないので、ブルターニュ群の住める場所はより狭まってくるでしょう。
アルガルヴェ海洋科学センターのジョアン・ネイバ博士は「現時点でブルターニュ群は絶滅の危機に瀕してはいません。しかし、生息域の縮小はコロニーにネガティブな影響を与えますし、移住先の環境によっては個体数の減少が加速するかもしれない」と指摘します。
果たしてブルターニュ群は、長寿の知恵を生かして、このピンチを乗り切ることができるでしょうか。